宗教に縁遠い家で育った私には、この本の最後に、お釈迦様はお釈迦様になるいくつもの長い前世の中で、トラだったこともあったと書いてあったのが一番の驚きでした。そういった、お釈迦様の前世の善い行いの話を547つ集めたのがジャータカと呼ばれる物語で、このうさぎの話は322番目の話だそうです。
それはさておき、綺麗な絵の絵本でした。色々な動物が列をなしているページがとてもよかったです。そして、何よりすごいのが、ライオンがおくびょうなうさぎと真実を探りに行き、その結果、うさぎの勘違いであっても決して責めるわけでもなく、また、皆のものの前でも、うさぎを傷つけることのないようにかばった言い方が素晴らしかったです。
「正しくものごとを見たり聞いたり話したりして、本当のことを自分の目で見きわめなさい」という教えの話だそうです。物語を読んでいて、なるほどと思う話でした。