水車小屋のあるじはほら吹きあるじ。
娘は藁で金つむぐそうな。
王様だまして娘を城に。
こんなリズム感のある展開のバーナデット・ワッツの絵。
でも気弱そうな王様、純真な娘、人のよさそうな小人を登場させては話とかみ合いません。
同時に読んだガルドンの描く『ルンペルシュテヒルツヘン』と比べてしまうと、存在感の薄い絵本になってしまいました。
わらを金に変えるという娘を城に連れてこさせた王様は下心ありで威厳がなければいけません。
この絵本にある娘ならば、わらを金に変えてくれた小人に対する感謝の気持ちを失わないでしょう。
この小人ならば、執拗に子どもを取り上げようとしないでしょう。
困った挙句に小人がいなくなってくれたのならば、この物語では王様とお妃様は小人を供養しながら幸せに暮らしていきそうなのです。