夕方になって、急に雨が降り始めたので、かおるはおとうさんの傘を抱えて、小さな傘をさして、おとうさんを迎えに駅に行きました。
電車はつぎつぎ到着しましたが、おとうさんはなかなか降りてきません。外はすっかり暗くなり、かおるは待ちくたびれて、ベンチに座りました。そこへ、オレンジ色のとらねこがやってきたのです。
不安な気持ちで待っていたかおるを、優しく案内してくれるとらねこの存在はありがたいものです。読んでいきながら、かおるの気持ちと一緒にさびしくなったり、楽しくなったり、そして、歌もあります。楽しい節をつけていっしょに歌ってみませんか?楽しいお話が、長新太さんの絵で、ますます深くなっていきます。