見なれない動物がスーツケースを引きずってやってきました。
疲れきるまで大変な思いをしてやってきたようです。
逃げ回り、隠れ、幾つもの山を越えてやってきたのです。
この動物が難民のような気がしました。
単なる旅行者ではないことを感じさせます。
スーツケースには、この動物にとってとても大切なものが入っています。
コーヒーカップに、テーブルにイス、おまけに家や周りの風景まで?
本当でしょうか?
信じられない鳥やきつねたちが、見なれない動物が眠っている間に、石でたたいてスーツケースを壊してしまいました。
中にあったコーヒーカップを割ってしまいました。
コーヒーカップの他に入っていたのは1枚の写真。
動物は嘘は言っていませんでした。
自分にとっての大切な風景でした。
鳥やきつねには解らなかったようですが、コーヒーカップと写真のイスにテーブル、家を再現して、この動物に謝ります。
この動物が、周りのみんなに認められたような感じがして、とても素敵な展開でした。
スーツケースに、とても大きな象徴性をもたせた作品です。