作者が自分の子どものために作ったというお話だけあり、ほのぼのとしたぬくもりが伝わる手書きの絵本です。きゅっと山場がやってきて、めでたしめでたしというテンポがいいですね。一度に何回も読んでとリクエストされますが、簡潔なので気軽に何度でもリクエストに応えられます。実はわたし自身も、「なんと!」のページをドラマチックに読むのがすごく楽しいので、リクエスト大歓迎なのでした。ここは、お人形の切実な気持ち(でも、ちょっぴりユーモラス)が迫りますね。娘は汽車の絵を見かけるたびに、「ビルは、ここを走っていったー」などと指でなぞっています。
また、非常に個人的な感想ですが、筆跡(とくに「そ」の字)が自分のピアノの先生の字に似ていて懐かしくなってしまいました。