「へんてこライオン」シリーズをはじめ、長新太さんの作品にはライオンが登場するものが多いんですよね。表題になっていなくても、動物が描かれているもののなかにはたいていライオンがいるようです。このらいおんも可笑しくっていい味だしてますよ。
八木田宜子さんの愉快な文章に長新太さんのらいおん、最高のコンビネーションです。
「ぼくが あさ めを さましたら、らいおんが となりに ねていたの。」そんなことあるんかいな。最初から笑っちゃいます。
このらいおん、ぼくの心強い味方です。いつもはできないようなことをさせてくれる。「もっと ねていたいなあ」と言ったら「うおーっ!もっと ねていたいんだ。おこすなあ!」おかあさん、逃げて行っちゃった。
朝ごはんはたくさんのアイスクリーム、しかもベッドの中でね。おなかがつめたくなったら「うおーっ!あったかいものがたべたいぞう。」
この怒鳴った顔にたてがみ。さすが百獣の長!よわむしなんかじゃないじゃない。
便乗して自分も食べちゃう(しかもぼくよりたくさん)らいおん、可笑しいね。
だけどそんな食べ方していたら、どうなることか。お医者さんが大きな大きな注射を持ってやってきます。
びっくりしたらいおん。この姿は見ものですよ。やっぱりよわむしらいおんだったのね。
にげちゃったらいおんの後ろ足としっぽ、それを見ているぼくとおかあさんの後姿。この構図は見事です。
最後のページ、おまけのショットとでもいうべき一枚の絵が楽しいです。裏表紙のらいおんのシルエットもいいですね。
自分の思ったとおりにしたい、でもできない、そんな不満も吹き飛んじゃいます。