もりのくまと、テディベアを、時間軸の中で対比した絵本です。
もりのくまは、生を受けてから、恋して家族をつくり、そして死んでいきます。
最後に、
「目をつむり落ち葉の上に横たわり、静かな溜息ひとつして」
とあって、とても叙情的な文章です。
それに対して、テディベアは、子供部屋から屋根裏、そしてアンティークショップへと居場所を変えても、けっして目を閉じることはありません。
最後に、
「ガラスの目玉に 世の中映して」
とあって、まるで詩のようなエンディングです。
表紙の絵と題名からは、とても想像できない内容でした。
子供への読み聞かせも良いのですが、大人が読んでも心に染み入る作品だと思います。
谷川俊太郎さんの文は、いつ読んでも琴線に触れるものがあります。