子どもが歩き始めたばかりの頃、
ずっとその手をつないでた。
まだ歩き方はぎこちなくて、
怪我をするんじゃないかと心配で、
手を放すことなんてできなかった。
少し大きくなったら、
私の手を放して歩くようになった。
猫を見つけたり、
犬を見つけたり、
川や、海や、空や、星を見つけて。
大きな声で、教えてくれる。
それは本当に、
まるでひとつひとつ、ドアが開けられていくようだった。
ドアが開いて、そこに現れる世界。
初めて出会った、その驚きと、感動。
怖いことも、泣きたくなることもあったけど、
声をあげて笑うことのほうが多かったね。
そんな、娘との時間に、
優しい言葉と絵で寄り添ってくれる絵本に出会えた。
娘は、この絵本の心地の良い言葉のリズムと、
可愛い犬に惹きつけられて(娘は犬が大好きなのです)、
意味はわからないながら、最後まで聴いてくれた。
たぶん、私がすごく感情移入して読んでたからかな。
一緒に読んでくれている感じだった。
繰り返し紡がれる言葉が、心にひびく。
「きょうも あしたも あなたは
たくさんの ドアを あけていく
そのむこうに
たくさんの よろこびが まっている
あなたは どんなひとに なり
いったい どこへ いくのだろう
どうやって こたえを みつけていくのだろう」
娘の開けていくドアの向こうに、
これからも、たくさんの喜びがありますように。
読みながら、そう祈らずにはいられない。
これからさき、娘の人生にも、
どんなにか辛いことがあるかもしれない。
でも、そんなときは思い出してほしい。
あなたは、たくさんのものに守られていると。
絵本のクライマックスも、とても好き。
この絵本は、小さな人から大きな人まで、
たくさんの人に愛される絵本だと思う。
やっぱアリスン・マギーさん、大好き。