海の向こうへのあこがれを実行に移した最初の鳥。最初の一歩を踏み出すのは、たいそう勇気がいることでしょう。その勇気にも感心しますが、そもそも、まだ見ぬ海の向こうになにかあるに違いないと思うその想像力がすばらしいと思いました。
志半ばで、海中に沈んだ鳥達に悔いはなかったのでしょうね。
そして、何百年何千年もの間に、その一歩を踏み出した多くの鳥達の屍が島となる。その島が、海の向こうに渡ることを可能ならしめるのか?
人間の歴史もこんな風に、ひとりひとりの力は微力だけれど、それが連綿と続くことで何事かを成してきたということなのでしょうね。
と、こんな風に思いながら読んでいたのですが、子供達はどう読んだのでしょうか?
大好きな川端さんの絵本。4歳の娘は、あまり気にいらなかったようです。ちょっと難しすぎたかな。8歳の娘は後で一人で読み返していました。島を作っていた鳥達が空一面を覆い尽くして飛んで行く場面に吸い寄せられていたようです。