どんっと目に飛び込んできた迫力の表紙で、おもわず手にとってしまった絵本でした。開いてみると期待を外さない絵の面白さがてんこもり。
見開きや本編に描いてある物まねの顔は子どもに大人気で、遠近感をあえて無視した絵も場面ごとの心情をよく表現していて、ぐいぐいと子どもの心に迫るようです。
子どもたちが勢い勇んで作るぎょうざの話で、楽しく盛り上がって作っている場面からどんどん雲行きが怪しくなって…でも最後には大団円、と緩急があって面白いです。文章も関西弁でリズミカルな言葉で、読んでいる方も楽しくなります。
幼稚園・小学校、どちらで読んでも好評で、小学4年生のクラスで読んだときは担任の先生が一番大声で笑っていました。
読み終わったあと見開きの顔をひとつずつ指差しながら、みんなで一緒に顔を作ったりするのも、この本のお楽しみのひとつではないでしょうか。
大人の目線で見ますと、ストーリーに直接関係ない導入部分にある迫力の顔のアップで、ぐいっと本の中に引きずり込むという手法に唸らされました。