春が待ち遠しくて選んだ一冊です。
ある春の日、あやの元に不思議な手紙と若草色のきんちゃく袋が届きます。
それを目にして、あやはにっこり笑顔になりました。
「あ、これはあの時の…」
一年前、春を運ぶという『はるねこ』に出会ったことを思い出したのです。
出版順ではなく、その時の季節に合わせてかんのさんの本を読んでいったので、我が家ではこの本が四冊目になります。
いつも季節にちなんだ不思議なネコが登場しますが、今回の『はるねこ』もなんともいえぬ雰囲気を持っていました。
若草色の毛並みで口の周りと足だけ白くて、透き通るようなな水色の瞳をしていて、しかも春を運ぶのがお仕事だなんて。
あやがお手伝いしてひとつずつ春を呼び寄せていく様子に、心がほんのり暖かくなりました。
今年は例年より寒さが厳しく春がなかなかやって来ませんが、「もしかしたら『はるねこ』が寝坊しているのかもしれないね」なんて娘と話しています。