この絵本のライオンのジレンマは、子ども達に何を教えるのだろう、と思った。
草を食べて生きる事はできない生き物なのに、生き物を殺さないと決めたとしたら、結末は目に見えている。
大人には理解できることでも、子ども達は、その事実をどう解釈するのだろう、というのが、この絵本を読んだ感想。
「ライオンさん、かわいそう」だろうか。
「でも、ライオンさんに食べられた、ウサギのパパとママの方がかわいそう」と思うのだろうか。
でも、この絵本の結末には、もう一つあり、タイトルのとおり、「はなになりたい」と願ったライオンの思いは叶い、墓前の白い花に生まれ変わりました(めでたし、めでたし、かは別にして)。
生まれ変わりということが、最後に登場します。
ここが、この絵本のもう一つの〔テーマ〕なのかな?と思えます。
死んだら、おしまい、という世界では、ライオンは罪悪感から餓死しておしまい、ですが、生まれ変わる、転生という次の生があるという事を信じていれば、今生での理不尽、ジレンマは解消されるという考え。
生きとし生けるものが、このようにめぐりめぐるという考え方は、何か救われないものをも救ってくれる力があるものと、私は思います。
そのようなことを、この絵本から感じました。