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日・中・韓平和絵本 へいわって どんなこと?

日・中・韓平和絵本 へいわって どんなこと?(童心社)

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汐見台3丁目

ママ・50代・神奈川県、男の子19歳

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汐見台3丁目さんの声

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ふつうだと思う 立ち止まってしまった大人の人へ  投稿日:2011/02/11
ヤマダさんの庭
ヤマダさんの庭 作: 岡田 淳
出版社: BL出版
第16回日本絵本賞の読者投票をしようと思って、候補24冊の中にあったこの本を
どんな内容の絵本かな?と図書館で借りてみました。

ヤマダさんという人が、ある日、ふと気付くと孤独で誰も何も自分の周りにはないこと
に気付きました。それで、“庭”に出てみることにすると、過去に会った色々な人や
物たちに遭遇し、活力を取り戻し、過去に抱いた夢を再挑戦をするいう話を、ちょっと
漫画ぽく描いてある絵本でした。

何年も長い間、ただひたすらに我を忘れて仕事一本で働いてきた人が、何かをきっかけに
糸が切れてしまい、ふと気付くと、自分の周りには何もなく、孤独感に陥ることってよく
聞く話ですよね。

でも、本当に何もないのだろうかと思って、振り返ってみると、結構、色々なことをして
いたり、色々な人々と交流していたりして、却ってビックリしたりします。
そして、自分は一人ぼっちって思っていたのに、本当はあの時の仲間達は、声がかかるのを
ずっと待っていてくれた... そんな状態に陥っている人へ、ふとプレゼントしたい絵本でした。

最後にヤマダさんが言う「だれにだって庭がある」という言葉の“庭”って、もっと明瞭な
言葉に置き換えると何だろう、と何となくイメージでしか掴めていない自分がちょっと
もどかしいです。 自分が培ってきた土壌ってことかな?!

私は個人的には、どちらかというと、話にスパイスがきいていたり、何かを問いかけられる
感じの絵本が好きなので、この評価になってしまいました。
でも、とても素敵な絵本だと思います。別名『回顧のススメ』です!
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なかなかよいと思う 雨は楽しい!  投稿日:2011/02/11
ぴっつんつん
ぴっつんつん 作: 武鹿 悦子
絵: もろ かおり

出版社: くもん出版
不思議な魅力のある本でした。

赤いレインコートを着ている女の子が赤い傘をさそうとしているところから始まる絵本で、
その女の子が外に出た時から、言葉が始まります。その言葉が、本当に楽しそうな雨の音
なんです。

あめが つんつん ぴっつんつん
つんつん ぴっつん ぴっつんつん
ちゃぷちゃぶ ぱちゃぱちゃ
ぴっつんつん ぴっつんつん

一人だった女の子が、次々と違う色のレインコートを着て傘を持った子達に出会っていき、
(と、ここまで書いてからふと思ったのですが、女の子とは限らないかも知れませんね)、
そこに書いてある言葉が、楽しい雨のようにどんんどん“はじけて”いって、とても絵と言葉が
ぴったり合った絵本でした。

途中で、黒いレインコート・黒い傘の子が現れて、一瞬、この子は悪魔役?
って思ったけれど、そうきたか! という展開でした。

この絵本は、「雨の音」がメインの言葉なのですが、あまりにも絵と言葉がぴったりなので、
いつも私が感じる疑問にぶつかりました。
絵を描く人と言葉を書く人が別々の人なのに、一体どっちが先に出来たのかな? と。

実は、この本は図書館で借りてきたのですが、図書館もオツなもので、この本に付随していた
小冊子をそのままつけていてくれ、そこに私の疑問を見事に晴らしてくれた回答が書いてありました。

この本は3人の人のインスピレーションの賜物で出来た本だそうです。
構成として名を連ねている後路好章さんが画廊で初めて見た、もろかおりさんのレインコートを着て傘をさしている子の絵に惹きこまれて、絵本を作らないかと声を掛け、その絵を沢山描き溜めてから、武鹿悦子さんに言葉を付けてくれと依頼したそうです。

絵と言葉のあまりのピッタリさに、ほとほと感心しました。

色鉛筆で描かれた、もろかおりさんの絵がとても可愛らしく、そして、
武鹿さんの子供にとっての雨を見事に表現しているところが、随分前から、雨なんて鬱陶しい
だけのものだと思うようになっていた自分に、
「そうだったよね。子供の頃は雨も楽しい日の1日だったかも」と思い出させてくれました。

そして、これまでは雨の音というと、「ザーザー」とか「パラパラ」という定着した言葉
だけでしたが、「ぴっつんつん」という音が新たに加わりました。

2歳くらいからの小さい子でも十分に、絵と音の美しさが楽しめる絵本だと思います。
そして、雨の日の気分を楽しくしてくれる絵本です。お奨めです。
是非、一度、読んでみてください。
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ふつうだと思う いつの時代にも  投稿日:2011/02/07
ぼくの図書館カード
ぼくの図書館カード 文: ウイリアム・ミラー
絵: グレゴリー・クリスティー
訳: 斉藤 規

出版社: 新日本出版社
図書館のおすすめコーナーのところに立てかけてあって、
子供にはまだ難しそうでしたので、自分用として借りてきました。

1920年代のアメリカ南部では、黒人は公園や運動場と同じように公共図書館の利用が
禁止されていて、殆どの黒人家庭では貧しくて本など買う余裕などありませんでした。
主人公の“ぼく”は、母親から字を教わって読めるようになると、活字に渇望し、
ごみ箱に捨ててある新聞や表紙が切られた本ですら拾って、読み漁っていました。

17歳になり、本を読みたいという願望が抑えられなくなり、信用が出来そうな白人に
意を決して、図書カードを借りることを願い出て、幸運にも図書館で本が借りることが
出来るようになりました。

“ぼく”は、本を読むことが自由への切符と信じて、夢中で本を読み、
お金をためて、自由と未来のある北部へと旅立って行きました。
という話でした。

この本を手にしたきっかけは、この本の前にちょうどパトシリア・C・
マキサック作『わたしのとくべつな場所』を読んだばかりで、
同じく黒人の図書館絡みの本なのかな?と興味をもったからでした。

その作品のパトシリアの時代から遡ること30年前は、まだ図書館が
黒人に門戸が開かれていなかったのですね。
それでも、パトシリアと同じように、本を読むことが知識を広げ
自由・人間の尊厳を得る手段と信じる人が、いつの時代にもいることを
改めて感じさせられます。

そして、いつの時代にも必ず、この本の中に出てくる、図書カードを
貸してくれた白人フォークさんのような良識のある人がいることを
嬉しく思います。

この本自体は、絵も暗い色調で描かれていて、別にストーリーに
創造性とかそういったものがなく、単に淡々と“ぼく”の本に対する
熱望だけが回顧録のように書いてあるだけです。

こういう人たちの思いが、数十年という歳月がかかったかもしれませんが叶って、
本当によかったと思います。
参考になりました。 1人

ふつうだと思う へ? へっへ〜!!  投稿日:2011/02/06
かわうそ3きょうだい
かわうそ3きょうだい 作・絵: あべ 弘士
出版社: 小峰書店
月のきれいな秋の夜にかわうその3兄弟が魚を捕りに行く話です。
全部、擬態音で書かれています。

まったく中身も知らずに読み始めた時は、秋の夜の静けさや虫の音の描写に
うまいなぁと魅惑され、読み進めていくと、
「へ? ひょっとして、もしかして、この本は文が無い?!」と気付き....
やっぱり最後まで文は無く、そして「へっへ〜!!」が読み終わった時の感想でした。

面白い本だと思います。
特に、大かわうその漁をする時の睨みの顔が気に入りました。
また、3匹の大きさによって、動く時の音の違いや、捕れる魚の量が違うところが
笑いを誘います。

そして、小かわうそのなんて謙虚なこと!
大かわうそが大漁だった魚を全部一人で食べてニンマリしている横で、
たった1匹の魚を満足そうにたいらげます。
みんな違ってみんないいってことかな?!
その小かわうそにも、あの大かわうそのように大漁となる日がやがて来るのかな?

作者あべさんの経歴を拝見して、あべさんのかわうそに対する愛情を
感じる絵本でした。
今度、動物園でかわうそを見かけたら、この話を思い出すことでしょう。

2・3歳くらいからでも十分に読んであげられる本だと思います。
スっと読める本なので是非一度読んでみてください。
参考になりました。 0人

なかなかよいと思う 人間の尊厳「自由」への第一歩  投稿日:2011/02/04
わたしのとくべつな場所
わたしのとくべつな場所 文: パトリシア・C・マキサック
絵: ジェリー・ピンクニー
訳: 藤原 宏之

出版社: 新日本出版社
有色人種差別があった頃のアメリカ南部ナッシュビルで、12歳になった
女の子が一人の黒人として誇りをもって生きることに、身をもって
目覚めた1日を描いた本です。

その女の子パトシリアは、おばあちゃんと「とくべつな場所」と呼んで
いるところに、生まれて初めて、一人で出掛けて行きます。

バスに乗ると、有色人種と白人は座る場所が違い、いくら白人の場所に
座る場所があいていても黒人は座れません。
公園の噴水に圧倒されベンチに腰掛けようとすると、そこは白人専用の椅子...
黒人お断りの立て札が出ているホテルにひょんなことから紛れ込んでしまい、
白人たちの目に蔑まれ、小さな胸は張り裂けそうになり、くじけて、
「とくべつな場所」に行くのをやめたくなりました。

その時、おばあちゃんの言葉を思い出すのです。そして、とうとう行き着いたのでした。
「公共図書館:だれでも自由に入ることができます」

最初の見開き2ページまで、きっと読者の子供は単にお出かけの話だろう
としか思わないと思います。でも、その後に、これでもかというくらい、
ただ肌の色が黒いというだけで、しいたげられ嫌な思いをするこの状況を、
例え国際結婚が増えたと言え、殆ど単一民族の日本人の幼稚園児や
小学校低学年には、きっと完全には理解できないことでしょう。
むしろ、色々と考えられるようになった小学校高学年・中学生以上が
対象の絵本なんだと思います。

その人種差別の話だと気付かせない最初の2ページの最後の部分の
おばあちゃんの言葉が、この絵本の真髄なんだと思いました。
「どんなことがあっても、胸をはって歩くんだよ」

そして、行き着く先の「とくべつな場所」が図書館であってくれて、本当によかった! 
知識を得ることは、時として、人間の尊厳である「自由」への一歩ですから。

パトシリアにとって、おばあちゃんはよき導き手だったのでしょうね。
この後に、黒人は立ち上がり団結し、アメリカは、有色人種法が撤廃
します。きっとパトシリア達のような目覚めた黒人たちの団結が実を結んだのでしょう。

これは人々の歴史の中で知っておくべき事柄の1つを、あえて絵本と言う形にして
描いてくれた本だと思います。是非、一読してください。
参考になりました。 1人

ふつうだと思う タグボート  投稿日:2011/02/03
さあ、ひっぱるぞ!
さあ、ひっぱるぞ! 作: ケイト・マクマラン
絵: ジム・マクマラン
訳: さくま ゆみこ

出版社: 評論社
港で小さいながら大活躍しているタグボードの1日の仕事を描いた絵本です。
相当大きな豪華客船まで引っ張れるなんて、本当に力持ちなんだなぁ。

字が少なめなので、小さな子からでも読み聞かせが出来ると思いました。

ただ、本物をみたことがない息子には、いまいちピンとこなかったみたいで、
今度、折角、横浜に住んでいるので、港に一緒に見に行こうかなという気持ちに
なりました。
参考になりました。 0人

なかなかよいと思う 生きとし生けるものの定め  投稿日:2011/01/22
おおきなけやき
おおきなけやき 作: 林 木林
絵: 広野 多珂子

出版社: 鈴木出版
一昨日、この絵本を「お、木の話かな?」と思って、本屋さんの新刊コーナーで立ち読み
しました。そして、どうしてももう一度この絵本を読みたくて、昨日また立ち読みに行きま
した。(本屋さん、ごめんなさい!)

森で一番大きかった“けやき”の話です。
その堂々とした雄姿は森の他の樹木や動物たちからの憧れの存在でした。
そんな大木が、ある冬の日に音を立てて倒れてしまい、周りの樹木の方が動揺します。
そして、けやき自身も当初は喪失感に襲われるのですが、これまでのっ視界と違う視界、
そして違う付き合いが小動物や植物と生まれて、慰められ、現状を受け留められ、
そして更に長い年月をかけて、腐食し土に戻っていくという話です。

一言で言うと、「生きとし生けるものの定め」が描かれている絵本で、
最初の数ページはただの樹木しか描かれていません。
しかも、その樹木には顔などはついていなく、背景が真っ白なところに葉が落ちた樹木が
描かれているので、ああ、本当に寒い日に起きたことだったんだなっと思わされます。
そして、これまで、こうやって何十年も、この寒さにこの木は耐えて立ってきたんだろうな
と同時に感じさせられます。

ページが進む度に年月が過ぎ、あの真っ白だった背景とは逆に、秋に真黄色の落ち葉で
覆われる倒れた老木のページが、その最初のページと実に対照的で惹きつけられ、
思わず綺麗とつぶやきました。
これはきっと、森の樹木達からの老木への今までの賞賛を表しているんだろうな。

そして最後に、また色が変化をして、倒れた老木を緑の蔦系の植物が覆い、老木の心だけ
ではなく読み手の心にも「再生」とか「新しい生命」とかを意識させられ、けやきの姿は無になります。

この老木のけやきの心情や状態を表している“配色のテクニック”にすっかり魅惑されました。

そして、何よりも、この絵本が二度も私を本屋に行かせたのは、40歳を過ぎて、
人生半分を過ぎたからでしょうか?
ただの木の話ではなく、人間にもとても当てはまる話であることをとても感じたからかもしれません。
何故か、70歳を超えた父親を思い出させる絵本でした。

自分の人生を振り返って、肩で風を切るような黄金時代もあり、
そして老いてから自分も周りのもの中の1つであることを悟り、形を変えた楽しみや喜びが
あることを知る。

これは小さい子には100%は、まだ悟れないでしょうね。
どちらかというと大人向けの絵本だと思います。
万人受けをする本ではないかもしれませんが、私には心に響く絵本でした。
是非、一度読んでみてください。
参考になりました。 5人

なかなかよいと思う 暗記するほど好きでした  投稿日:2011/01/20
りんご
りんご 作: 松野 正子
絵: 鎌田 暢子

出版社: 童心社
息子が2歳の頃に購入した本で、もう5歳も終わりになるのに
この本は小さい頃の思い出の1冊らしく、手放しません。

2歳の頃にも何度も読んだので文を覚えてしまっていましたが、
それから3年以上もたった今でも、暗記しています。

いろいろな色のりんごがあること、皮をむくとしろいこと、
中には種があることなど、りんごの基本を学んだみたいです。
でも、やっぱり絵がリアル感があって、美味しそうだったから、
大好きだったのかもしれません。

4歳を過ぎて、ひらがなが読めるようになったら、暗記しているにも
かかわらず、一人遊びで、一語一語を追って、ぬいぐるみに読みきかせ
てあげて喜んでいました。

親子共に思い出に残る絵本です。
参考になりました。 0人

なかなかよいと思う 住民連携プレーがさらなるパワーアップ!  投稿日:2011/01/18
くすのきだんちへおひっこし
くすのきだんちへおひっこし 作: 武鹿 悦子
絵: 末崎 茂樹

出版社: ひかりのくに
くすのきだんちシリーズの第2弾を見つけたと、また息子が祖父母に
買って貰ってきました。

やさしい春の風に誘われるように散策していた“かえる”が、大きなくすのきの姿に
引き付けられて近づくと、管理人のもぐらのもぐに声を掛けられ部屋を見せてもらいます。
空いている部屋が8階で階段が昇るのが大変なこと、そして7階にかけす一家、
9階にふくろうが住んでいることを知ると住むのは無理と言い(そりゃ、そうだ!)、
横着をして階段の手すりにまたがって滑って下に降りていくと、途中で勢い余って
壁に激突し気絶してしまい....という話です。

1作目では、管理人もぐと住民のりすさんが大活躍しましたが、この2作目では、
看護師のうさぎの姉妹とさるの大工さんが大活躍です。

ここまで新しく引っ越してくる者の為に、リフォームしてくれるもぐも素敵ですが、
それを実際に施工した“さるの大工さん”の腕、すごすぎます!
ウチもリフォームして欲しいくらいです。

最後に明かされる、かえるの職業がすいえいのコーチというオチもなかなかよく、
裏表紙に描かれた、その通勤姿もなかなかですよ!

1作目より住民の連携プレーがパワーアップしていますが、面白さも更にパワーアップしたと
思います。お薦めです。
参考になりました。 0人

なかなかよいと思う みごとな連携プレー!  投稿日:2011/01/18
くすのきだんちは10かいだて
くすのきだんちは10かいだて 作: 武鹿 悦子
絵: 末崎 茂樹

出版社: ひかりのくに
息子が3歳の時に祖父母に買ってもらった絵本です。
大きな“くすのき”が団地になっていて、地下1階・地上10階建てです。
各階に1世帯ずつ住んでいて、管理人の“もぐらのもぐ”はその地下1階に住んでいます。
そして、1階にはちょっと気難しい音楽家のきつねさん、2・3階に看護師のうさぎの姉妹、
4階にはさるの大工さん、5・6階はりすのレストラン、7・8階は現在空き室で、9階に
ふくろう、10階にももんがが住んでいます。
ある日、8階にかけすが引っ越してきて、お嫁さんを貰い、卵が生まれると、
へびが最後の空き室に引っ越したいと部屋を見に来て... という話です。

へびがかけすの卵を狙っていると気付いてからのもぐの機転の速さと、
もぐとりすさんの連携プレーが素晴らしいです。
そして、こんなに仲の良い団地の住民っていいなぁ。

今回は、もぐとりすさん、さるの大工さんが活躍しましたが、この次のシリーズでは
違う住民たちが活躍します。シリーズで読むと楽しいですよ! 
お奨めです。
参考になりました。 1人

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