![出版社からの紹介](/images/shoukai_shuppansha.gif)
あるところに個性的な顔をもつ人がいた。その顔はみんなに愛され、画像がネットに溢れた。ところが自撮りを繰り返すうち、顔はやがて輪郭を失ってゆき──。ソーシャルメディア時代にわたしたちは「わたし」とどう向きあえばいいか。前作『迷子の魂』につづき、繊細でメランコリックなイラストとともに描かれる現代のおとぎ話。
![ベストレビュー](/images/shoukai_bestreview.gif)
タイトル以上に個性的な絵本です。
個性的な顔を武器とした男は、そのもたらす価値や評価に溺れて、ナルシズムの境地まで登りつめてしまいました。
自分自身の姿を、自撮りで発信し続けたのです。
世間がそれに迎合しているうちは良かったのです。
でも、それが世界に蔓延し、コピーのように垂れ流されるに至って、自分の個性が薄らいでいく恐怖を感じるまでに消耗してしまいました。
ある意味流行の価値の消費期限が来たのかも知れません。
男は新たな個性的な顔を求めました。
より美しくなれたでしょうか。
私は結果に疑問を持ちます。
そのうちに慣れるレベルの顔って、きついですよね。
個性的なのにもほどほどがいいのかも知れません。
世の中のイケメンが識別できないくらいに同一化して見える私にとって、容姿という個性は、標準化と置き換えられてしまったようです。 (ヒラP21さん 70代以上・その他の方 )
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