
「いやなやつ」が「ともだち」にかわった日。 無責任なうわさに乗せられて、真実を見失いがちなわたしたちに、この犬たちは何かを教えてくれる。 すらりとした美しい犬、あしながは、のら犬たちからきらわれていました。 「でっかい家にすんで、すごいごちそうたべてるんだって。」 「子犬や子ねこをたべちゃうんだって。」 かっこいいけど、さいていのやつ──。のら犬のケンは、みんなのうわさ話を信じて、あしながのことをそう決めつけていました。ところがある日、あしながのほんとうの姿を知ったケン。そのとき、ケンの心の中で何かがかわりはじめたのです。

あしながは野良たちが言うには「悪いやつ」「ひどいやつ」。
その部分を読んだときは、子どもたちも「うわー」
「ひどーい」と一緒になってあしながを悪者にしていました。
でも、あしながの本当の姿、つぶやきを知ったとき、
心がぎゅっとなったようでした。
「あ、ぼく、まちがえちゃった・・・」とつぶやく子どももいました。
みんなが言っているからそれが正しい。
よく知らないけど、そうらしいよ。
こういった偏見は、大人にたくさんあると思います。
ぜひ、1年に1度くらい読み続けていきたい一冊です。
(クラムボンさん 20代・せんせい )
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