![みどころ](/images/shoukai_midokoro.gif)
江戸の正月、時の将軍、徳川家光の気まぐれに、家臣一同驚いた! 「だれか、この石段を馬で乗りあがり、梅の花を折り取ってまいれ」 家光公が見上げているのは、愛宕山の円福寺、山上に見事咲きそろう、紅白の梅の花でした。
ところが梅の花までは、186段の石段がそびえています。 段差も高く、幅も狭い、その様子はあたかも断崖絶壁! ここを馬で乗りあがるのは、死をも覚悟の仕事となるでしょう——
着物姿で舞台にあがって、話術で人をたのしませる、日本の伝統芸能。 史実を元にした物語で、後世に歴史を伝える、落語とは似て非なるしゃべりの芸術。 それが『講談』! 100年ぶりの講談ブームといわれる昨今、絵本でさらに親しみやすくなった、講談絵本シリーズ!
家光公の命を受け、馬術に覚えのある三名と名馬とが挑みますが、七合目にして馬が恐怖し、ことごとく落馬…… あきらめて帰ろうとする家光公の前に、ひとりの侍があらわれます。 その侍こそ、曲垣平九郎盛澄!
我こそはといさましく志願したのは良いものの…… 平九郎の乗る馬というのが、骨と皮ばかりにやせ細り、そのうえ左足も悪くしている様子。 はたして平九郎は、断崖絶壁と見紛う石段を登りきることができるのか!?
著者は「黒魔女さんが通る‼︎」シリーズや『世界の果ての魔女学校』で知られる、石崎洋司さん。 イラストは、『海獣の子供』や『人魚のうたがきこえる』などで人気の漫画家・五十嵐大介さん。 石段に挑む馬たちの表情の豊かさが、かわいいみどころ! また、水彩で描かれた円福寺の自然と、紅白の梅花が見目鮮やかで、お正月を舞台にした絵本らしい、華やかなイラストです。
そして、 「この絵本を通じて、一人でも多くの子どもたちに講談を知ってもらえることを願っています」 とは、本書監修で講談ブーム火付け役の天才講談師、6代目神田伯山(神田松之丞)さん。
言葉のとおり本シリーズは、イラストの力でより親しみやすくなっているのはもちろん、聴き慣れない言葉も漢字と振り仮名で読むことができ、わかりやすく講談の魅力をあじわうことができます。
知恵と工夫で勝負するのか? 胆力が奇跡を起こすのか? 弱った馬と平九郎が挑む『梅花折り取りの儀』、とくとご覧あれ!
(堀井拓馬 小説家)
![出版社からの紹介](/images/shoukai_shuppansha.gif)
人気沸騰中、「チケットの取れない講談師」神田伯山さんを監修に迎えた「講談えほん」シリーズ、待望の第2弾!
「講談」とは、古くからの日本の伝統芸能です。講談師が、実在の人物や史実とされている事象を、脚色を交えて聴く人を楽しませつつ、一人語りで読んでいきます。日本の歴史の物語を次世代につなぐために、とても大事で、いま注目されている芸能です。このたび、次世代に伝えたい講談のお話を、絵本にして子どもたちに残すために、「講談えほんシリーズ」をつくりました。 いま、飛ぶ鳥を落とす勢いの講談師・神田伯山氏を監修者に迎え、話題を呼ぶこと請け合いのシリーズ、待望の第2弾が3作品登場です!
そのうちの『曲垣平九郎 出世の石段』は、「寛永三馬術」のなかでも特に有名なエピソード。 江戸時代のこと、徳川家光が増上寺を参拝した帰り道、愛宕山の上から梅花の香りがただよってきました。家光は、石段を馬でかけあがって、梅花を折り取ってくるよう命じましたが、挑戦した者はみな、失敗に終わります。そこで名乗り出たのが、がりがりのやせ馬に乗った曲垣平九郎! はたして平九郎は186段の石段をかけのぼることができるのでしょうか。 子どもたちから絶大な支持を集める児童文学作家の石崎洋司氏が文章を、大人気漫画家・五十嵐大介氏が作画を担当した声に出して読みたい絵本です。
人気講談師・神田伯山さん監修による講談社創業110周年記念企画。
講談の物語の魅力を存分に味わってください!
![ベストレビュー](/images/shoukai_bestreview.gif)
神田伯山さん監修の「講談えほん」シリーズを色々楽しく読んでいます。
こちらは三代将軍家光の頃、馬術の名人と称えられた曲垣平九郎のお話。愛宕山円福寺での出世の石段のエピソードが語られます。
お話によって、絵を担当する作家さんがそれぞれ違うのも、このシリーズの魅力。こちらも軽やかな絵で楽しめました。
梅の花が咲く頃に読むと、さらに雰囲気があって良いと思います。 (クッチーナママさん 40代・ママ 女の子17歳、女の子14歳、男の子12歳)
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