表紙には、笑顔で自転車にのる主人公のまやちゃん。 遠くにはのどかな山並み。まやちゃんは今、どこにいるの? そう、ここは、久しぶりに戻った福島なのです。 まやちゃんは、原発事故の後、お母さんとふたりで広島へ引っ越して暮らしていますが、おじいちゃんの誕生日のお祝いのために福島に帰ってきました。 自転車にのって前に通っていた小学校に向かうと… なんと、その日はちょうど小学校の卒業式だったのです。 なつかしい友だちの声が聞こえてきて、記憶が鮮やかによみがえってきました。 入学式やハイキングといった楽しい思い出とともに、原発事故が起ってからのやるせない気持ちまで入り交じっています…。
このデリケートなテーマをはらんだ物語を、ナチュラルなやさしいタッチで描き出したのは、松本春野さん。父である松本猛さんと共作された絵本です。言葉は最小限にそぎ落とされ、映像的にまやちゃんをとりまく状況と、まやちゃんの気持ちが伝わって来る、静かで上質な絵本です。 巻末には、松本猛さんによる、福島の原発事故後のレポートが添えられ、この心あたたまる物語の背景にある、「原発事故」の恐ろしさと未解決の問題について考えることができます。 「住んでいるところが、ある日突然汚染され、目に見えない放射線で囲まれ、普通の生活ができなくなることを想像してみてください。」と、松本猛さんは訴えられています。福島で起こったことを風化させないこと、それがこの絵本から手渡される大切なメッセージかもしれません。 3.11を迎えるたびに読み返したい絵本です。
(編集者・ライター)
ひさしぶりに福島に帰ってきたまや。小学校の卒業式をのぞきにいくと、なつかしい声がした。「ふくしまからきた子」から3年、福島でくらす友だちとまやの再会を描く。
「ふくしまからきた子」を読んで、
こちらも 読んでみたくなりました。
@「ふくしまからきた子」
A「ふくしまからきた子 そつぎょう」の順番に
読むのがオススメです。
原発事故の影響を受けて、
数年後のことだからです。
まだまだ長い年月がかかることではあるのですが、
その中で子供は成長して
未来に向かって 大きくなっていくのです。
とても美しい絵と文章から
伝わってくるものがあります。
3.11のこと、
あとがきも 読んで
この絵本を知って良かったと思いました。 (koyokaさん 50代・じいじ・ばあば )
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