![みどころ](/images/shoukai_midokoro.gif)
おいしいものが食べたいと思うのは、人も妖怪も同じこと。 ここに、いかにもまずそうな表情で蕎麦をすすっている、三人の妖怪がいます。 彼らの名は、「とうふこぞう」、「ざしきわらし」、「すねこすり」。
彼らは、ただ小腹を満たすために蕎麦をすすっているわけではありません。 実のところ三人は、妖怪好みの食べ物を紹介する「妖怪料理番付」、そのグルメ調査員なのです! 店から店へと食べ歩き、人の世界にある妖怪好みの味を探す三人ですが、なかなか良い店がありません。
そんななか出会ったのは、見るからにボロボロの豆腐屋、名は「おまめや」。 おいしいものの気配を感じたとうふこぞう、さっそくおまめやの豆腐をパクリ。
「きしきしするこの感じ、最高!」 「おそろしいほどボソボソしてる!こんなにおいしいもの食べたことないよ!」
……どうやら妖怪たちの「おいしい」と人間の「おいしい」とは、まるきりアベコベなようです。
ともあれ、とうふこぞうはすぐさま、妖怪料理番付におまめやを掲載しました。 妖怪たちのあいだでたいへんな評判になったおまめや、連日、人でないものたちの行列が絶えません。 しかしそんなある日、妖怪たちがとうふこぞうに文句をいいにやってきます。 いわく、おまめやの豆腐の味が変わってしまい、とびきりまずくなってしまったというのです──。
あふれる魑魅魍魎!まるで百鬼夜行! 出るわ出るわの妖怪パレード! 全国津々浦々のさまざまな妖怪がページ狭しと躍動し、とってもにぎやかな作品です。
グルメ調査員のひとり、まんまるの体をした猫のような姿の「すねこすり」をはじめ、とぼけた表情の「カッパ」や、小人のようにちいさな鬼の「やなり」など、かわいらしい妖怪がたくさん! そして、しっかり不気味な妖怪もたくさん…… でも、不気味な妖怪もかわいい妖怪も、みんなおまめやのおいしい豆腐でニコニコ! それに、変装して豆腐屋に現れる妖怪たちですが、化けるのが下手すぎてみんなバレバレ……。 そんな愛嬌たっぷりな妖怪たちの、いろんな表情や姿がたのしくて、なんども読み返してはページの隅々までながめてしまいます。 本編に登場する妖怪たちは、表紙裏に名前つきで紹介されているので、お気に入りの妖怪がどんな出自を持つのか、くわしく調べてみるのも楽しそうですね。
それから、この作品には忘れちゃいけないオマケ要素が! 表紙、裏表紙含め、各見開きに必ず、ちっっっちゃなヒヨコが隠れているんです。 あまりにちっちゃいので難易度は高いかもしれませんが、ぜひ探してみてください。
(堀井拓馬 小説家)
![ようかい りょうりばんづけ](/images/433302756X_20170516143950_op1..jpg)
![ようかい りょうりばんづけ](/images/433302756X_20170516143950_op2..jpg)
![出版社からの紹介](/images/shoukai_shuppansha.gif)
とうふこぞう、ざしきわらし、すねこすりの妖怪3人組は、グルメ覆面調査員。人間の町で妖怪好みの味を探しては、料理番付に載せています。番付が出ると、妖怪たちは人間に変装して店へと急ぎます。ある日、とうふこぞうは運命の豆腐と出会い、料理番付に載せたところ、妖怪たちに大評判! ところがふた月ばかり過ぎた頃、「豆腐がまずい」と妖怪たちが文句を言いに来て……。
編集者コメント 絵の中で細密な生き物が躍動する独特な作品世界が人気の、澤野秋文さんの創作絵本です。澤野さんの小さい頃のお気に入りは水木しげるの妖怪図鑑。念願の妖怪絵本が誕生しました。怒ると怖いが食いしん坊な妖怪たちは、何とも魅力的。隠れキャラのヒヨコを探すのも楽しいです。
![ベストレビュー](/images/shoukai_bestreview.gif)
妖怪が好きな現在三年生の息子に読みました。
いろいろな妖怪が出てきて、そのあたりはおもしろかったようです。
でも、肝心の内容は、息子にはイマイチぴんとこなかったみたい。
人間が不味いと思う料理。でも妖怪にしてみたらとても美味しい料理。
つまり、人間と妖怪では味覚や味の価値観が全く正反対なんですよね。
そのあたりがわからないとこの作品は楽しめないと思うのですが、
三年生の息子にはまだ難しかったみたいなんです。
きしきしのお豆腐 ぼそぼそのお豆腐
大人だったらそこで、あんまり美味しくなさそうなお豆腐だなと思いそうですが
息子には きしきしぼそぼそのお豆腐=まずそう・・・
ってことが、繋がらなかったみたいです。
私個人的には☆五つなのですが、今回息子の反応をみて
☆四つとさせていただきました。 (チチンプイのプイ♪さん 30代・ママ 男の子8歳)
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