その日、わたしの知っている朗らかな町は一瞬にして地獄になりました。 8月6日 午前8時15分のことです。 つきさすような光と爆風。何が起きたか分かりません。 ただもう、そこにはわたしが毎日楽しみに眺めていた町の人びとも風景もありませんでした。
そう語るのは、広島電鉄のしき石です。
この絵本は、広島に原爆が投下される以前の様子から、その後、被爆したしき石が「祈りの石」として、後世に残る重要な役割を果たすことになった経緯をまとめた貴重な作品です。
祈りの石の存在を世界共通の「平和希求のシンボル・メッセージ」として、世界中の国々に平和の重要性を再認識してもらえるよう「ひろしま・祈りの石の会」がはじめた活動です。現在では海外100カ国以上に祈りの石が届けられ、アイスランドでは、1985年から毎年、広島、長崎の原爆で亡くなられた人のため灯篭を流して平和を祈り続けているそうです。
まだまだ知らないこと、伝え続けていきたいことがたくさんあります。
絵本の巻末にはその歴史と、海外の方にも説明できるように英訳された本文も記載されています。いろいろな形で、あの日の事実を知ることがとても大切なのだと思います。
「平和を考える」一冊に加えたい絵本です。
(富田直美 絵本ナビ編集部)
広島電鉄の敷石(=わたし)が、原爆体験を経て、「いのりの石」として平和希求のシンボルになるまでを描く、ノンフィクション絵本です。資料と英訳のページ付き。
親の私も戦争を知らない世代。
私自身は祖父が戦争を知っている世代だったので、戦争の話しを聞いたことがあります。
そして、映画や本でも比較的戦争ものを見たり、修学旅行でも長崎へ行って原爆体験者に実際に話しを聞いたりと、戦争を知る機会がありました。
子を持つ親になった今、我が子は私が子供の頃ほどは戦争ものを読み聞きする機会が少なく、そういう意味では危機感も感じているのも事実です。
きっと戦争体験者も少なくなっているもの影響しているのでしょう。
だからこそ、体験談を話せない聞かすことができない現代、本で戦争を知ることは子供達にとっていかに大切か。
子育てをする上で頭に入れておきたく思っています。 (まゆみんみんさん 40代・ママ 女の子9歳)
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