![出版社からの紹介](/images/shoukai_shuppansha.gif)
「ヘン。又出て来たね。まあ、あのざまをごらん。ほんとうに、鳥の仲間のつらよごしだよ。」 みにくい姿のせいでみんなにいじめられ、最後には空へ飛び立って星になったよだかの物語を美しい絵とともに。
![ベストレビュー](/images/shoukai_bestreview.gif)
「よだかの星」は、物語としてもとても重みのある作品だと思います。
いじめ、差別を強く感じさせる内容であり、よだかの自己犠牲的な最期は、自殺をも連想させます。
たかは何を象徴するのでしょう。
よだかの不幸に関与することのない、多くの鳥たちは何を意味するのでしょう。
そもそも「市蔵」という名前に悪意を持ったレッテル張りは、あるまじき傲慢ではないでしょうか。
それだから、後半に登場する星座たちは、手の届かない天空に向けた祈りのように思えるのです。
ともあれ、内容的に深みのあるこの作品を、多くの絵本作家が視覚化していて、それぞれに描
かれ方に独自性を感じます。
よだかは醜いのでしょうか。
よだかは可哀想なのでしょうか。
客観的に描いているうちは、この作品を奥底までは到達できないようにも思います。
その意味では、小林敏也さんの絵は、鳥たちの自然体や心象、後半のよだかの飛翔に寄り添って描いているように感じられて、自分には嬉しい絵本でした。
たかという権力に立ち向かえない、よだかの切なさに、感情移入してしまいました。 (ヒラP21さん 70代以上・その他の方 )
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