![みどころ](/images/shoukai_midokoro.gif)
「あの美しく瞬いている星たちが、みんなぼくのものになったらいいのに…。」
思わずそうつぶやいのは、地面の下で暮らすモグラ。 トンネルでつなげた家は悪くない。住み心地満点です。 でも、ちょっぴりさみしくなることもあります。 そこで、流れ星を見つけたモグラはいそいで目をつぶり、お願いごとをしてみたのです。
するとどうでしょう。 目の前にたくさんのはしごが現れて…空にむかってのびています! モグラは夢中ではしごをかけのぼり、星をとっては自分の家にはこびます。 星でいっぱいになった部屋の綺麗な事と言ったら。
でも、しばらくするとモグラは気がつきます。 空がまっくらになっているという事に。 ……少しの悲しい気持ちと後悔を背負って歩くモグラが、その視線の先に見つけたものは?
『手と手をつないで』『かべのむこうになにがある?』も記憶に新しいドイツの絵本作家ブリッタ・テッケントラップが描く「もし、こうなったら」の世界。それはとてもきらびやかで恍惚とした光景で。だけどそこでは終わりません。その先にある、もっと大事なことに気がつかせてくれるのです。
誰かと好きなものが一緒、美しいと感じる心が一緒。 そう思うだけで、こんなにも嬉しい気持ちになれるなんて! この絵本を誰と読もうか、想像するだけで楽しくなってくる一冊です。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
![出版社からの紹介](/images/shoukai_shuppansha.gif)
モグラは、毎晩ひとりで星をながめていました。あの星たちがぼくのものになったらいいのにな。 すると目の前にはしごが降りてきて…。 モグラは大喜びで星を自分の家に持ち帰るのですが、そのことで森の動物たちが困っていることを知ります。
モグラが手に入れられたものはなんでしょう。 ドイツの絵本作家ブリッタ・テッケントラップが描いた 素敵な気持ちがたくさんつまった絵本です。
![ベストレビュー](/images/shoukai_bestreview.gif)
『Mole’s Star』が原題。
ねがいごと、は意訳ですが、まさに主題です。
表紙の絵が何とも印象的です。
暗い所に住むモグラが流れ星を見つめていますが、
この状況で、流れ星への思いが伝わってきます。
心地良い暮らしのモグラですが、ある日寂しさを覚えて、
日課の星へのあいさつの際、流れ星を見つけて、
つい、世界中の星が僕のものになりますように、と願い、かなってしまうのです。
部屋中星に包まれて、というのも素敵ですが、なぜか違和感が。
そこで、衝撃の事実が明らかになるのですね。
星が消えてしまった世界。
黒一色ではない、かすかに見える木々が圧巻です。
そして、動物たちの困った姿に、モグラのとった行動が素晴らしいです。
さらには、動物たちの行動も嬉しいです。
寓話のような、でも、さわやかな読後感です。
幼稚園児くらいから、このモグラの勇気を感じてほしいです。 (レイラさん 50代・ママ )
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