![みどころ](/images/shoukai_midokoro.gif)
子どもは仲良しのお友だちと手をつなぐのが大好き。 大人だって、大好きな人と手をつなぐと、なんだってできそう、どこへだって行けそうな、無敵な気持ちになりませんか? 本書は、お母さんと子どもが重ねていく時間と記憶を、手を通して描く物語です。
大きなおなかをそっとなでるお母さんの手は、優しい。 この世界は素敵なところだよ。 あなたに会えるのが、とっても楽しみだよ。 きっと、そんなことを思いながら。
あなたが産まれたとき、お母さんの手はその小さな体を愛おしそうに包みこむ。 ふらふらしながら、ようやく立っちしたとき、あんよしたとき。 あなたの「初めて」を誇らしげにささえてくれたのは、お母さんの手。
暗い夜の階段をのぼるとき、怖がるあなたの小さな手を、温かな手がしっかりと握ってくれた。 スキップして走って転んで、泣きべそをかいたときには、お母さんの手があなたを抱き上げて、テキパキとよごれた手を洗ってくれた。
パンパンパン!手のひらをあわせて音を鳴らし、笑顔を見合わせた手遊び。 一緒に土をさわり、野菜をもいだ庭仕事。 並んで立ち、一緒においしいものを作りだしたキッチン。 手のひらから小鳥にえさをあげた、雪の日。
当たり前のように手をつないで、並んで歩いていた親子だけれど、子どもの成長につれて、いつしかお母さんは小さな背中を見送ることが多くなっていく――。
温かくて柔らかい本書の絵を眺めていると、自分の中に確かにある愛された記憶と感触に、心が満たされるような気がします。 自分がもらってきたたくさんの愛を、今度は子どもにバトンタッチしていく――。人間がずっとつづけてきたことの素晴らしさと尊さ、そしてかぎりない愛が、本書からきらきらと溢れ出ています。
最後のページを開いてみてください。 献辞の下にある、翻訳者の落合恵子さんの温かく真摯なメッセージが胸をうちます。 大切な人と一緒に読めば、忘れがたい思い出のひとつになること間違いなしの一冊です。
(絵本ナビ編集部)
![出版社からの紹介](/images/shoukai_shuppansha.gif)
冬のある日 小さい小さいあなたがやってきた。 あなたの小さな手を、かあさんはやさしくつつみこみ 言葉のないうたを口ずさんだ。 やがて その手は文字をおぼえ、 かあさんと手をつながなくても 通りをわたれるようになった。 そして 旅だつ時がきて……。
親子の手がつむぐ おだやかで かけがえのない ものがたり。
![ベストレビュー](/images/shoukai_bestreview.gif)
この絵本は、子供より大人向けかも知れません。
今小さな赤ちゃんを子育てしているお母さんたちに、子育てが一段落または終わったお母さんたちに、共感できる絵本ではないでしょうか。
子育てって大変ですが、子供の成長はあっという間でもあるのですよね。
子供の手が触れてくれるうち、子供が手を繋ぐことを望んでくれるうち、そんな時期がいかにかけがえがなく愛しい時期か…。
そしてそんな親子の繋がりがいかに糧となるか温かな心の支えとなるか、思い出させてくれる本に思いました。 (まゆみんみんさん 40代・ママ 女の子8歳)
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