![みどころ](/images/shoukai_midokoro.gif)
大切なシンボルだったはずの星は、いつしか、迫害の象徴に。しかし、ひとりの国王の勇気によって、それは団結と希望の旗印へと変わる。これは、国民の命を守るために戦った、実在する国王にまつわる伝説の物語です。
1940年、デンマーク王国。ヨーロッパ中に広がった戦火によりナチスの占領下となったデンマークでしたが、国王は決して屈しませんでした。彼の名は、クリスチャン10世。
ナチスの支配の最中にあっても、国民を守るために毅然とした態度で戦ったクリスチャン10世は、ナチスに対する抵抗運動のおおきなシンボルとなり、国民の心の支えとなりました。
ところがある日、ナチスから恐るべき命令がくだされます。
「すべてのユダヤ人は、黄色い星の印をどんなときでも見えるよう、自分の服にぬいつけねばならぬ」
強大なナチスに力で対抗することはできません。しかし、なにもしないでいれば、デンマーク国民であるユダヤの人々が傷つけられてしまいます。
ユダヤの人々を守るために悩んだ国王は、とあるおどろくべき決断をします??
実在したデンマーク王クリスチャン10世は、実際にナチスドイツの支配に強く抵抗した人物で、彼の行動により、デンマークに住むユダヤの人々の多くの命が救われることになりました。
「今も、人の生きる権利はおびやかされ、人種差別もなくなっていません」
あとがきでそう語る著者カーメン・アグラ・ディーディさんの言葉を引用しつつ、本著の訳者である那須田淳さんは、次のように語ります。
「それは、社会の大きな問題だけでなく、近所やときに学校の教室での、いわれのない差別やいじめにもつながります。 この物語は、かつての歴史のお話ではなくて、今のわたしたちの問題にもつながることだと思って読んでもらえたらうれしいです」
不正に苦しむ誰かのために立ち上がり、彼らと共に戦う勇気。
80年以上前の時代を背景に語られた物語でありながら、その普遍的なメッセージが現代にも強く訴えかける、おすすめの一冊です。
(堀井拓馬 小説家)
![出版社からの紹介](/images/shoukai_shuppansha.gif)
第二次世界大戦の頃、ヨーロッパではナチスドイツの勢力が増し、 ドイツに隣接するデンマークでも 人びとに不安の暗い影を落としていました。
「すべてのユダヤ人は、黄色い星の印を どんな時でも見えるよう 自分の胸にぬいつけなければならぬ」 ナチスの命令が下されたとき、 デンマーク国王・クリスチャン10世は どのような行動をとったでしょうか。
ナチスに占領された国々のなかで、デンマークは多くのユダヤ人を救出し、 デンマーク国内のユダヤ人の98%は生き残ったと言われています。 ナチスに抵抗し人びとを守ったクリスチャン10世の伝説に基づいた絵本。
![ベストレビュー](/images/shoukai_bestreview.gif)
このお話は実話ではないようでした。けれども、子どもに第二次世界大戦中に起こったナチスによるユダヤ人の迫害を教えるきっかけとなるとても良い絵本でした。
この絵本をきっかけに、子どもには「第二次世界大戦」という歴史に興味を持ってもらいたいと思っています。 (さくらっこママさん 40代・ママ 女の子9歳、男の子6歳)
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