
雪の日の美しい情景が広がる幻想的な絵本。
雪が凍って大理石よりも堅くなった日、四郎とかん子は野原できつねの子に出会い、幻燈会の切符をもらいます。約束の夜、チカチカ青く光る雪の中を出かけていくと、林の空き地にたくさんの子ぎつねが集まっていました。2人が、きつねの作ったきびだんごを食べると、子ぎつねたちはおどりあがって喜びます。宮沢賢治による幻想的なことばと、堀内誠一の描く美しい雪国の情景がこだまする、空想物語の傑作。

毎年、冬の時期に読みたくなり絵の違うもので楽しんでいます。
昨年は、ミキハウスのモノクロの雪わたりを楽しみました。
宮澤賢治の作品は、同じ作品でも絵が違うものが多く出版されていますので、こういう楽しみ方ができますね。
堀内誠一さんのものは、表紙から青のイメージの強い雪わたりだと思っています。
宮澤賢治の作品は、声に出して読むと「かたゆきしんこ しみゆきしんこ」「キックキックトントン」とリズムが体の中にまで入ってくる気がします。
だから、『雪わたり』を読むと子どもは何かにつけて「キックキックトントン」と言葉にこの符牒を挟んで話してきたりもするのです。
雪国に育ったならではの雪の描写、11歳以上の子は幻灯会には招待されない、きつねと子どもは仲良しになれるのかなど、
何度読んでも味わいのある作品だと思います。 (はなびやさん 40代・ママ 男の子9歳)
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