
三日続いた雪がやんだ日、マコおばちゃんが遊びに来た。私たちは積もった雪の上に寝転び、雪に天使の跡をつけた。 天使はいつも、私を見守ってくれているんだって・・・。 思春期の入り口にたつ少女の心に寄り添う、優しく温かい物語。

思春期くらいのサイちゃんが出会った雪の光景が描かれています。
学校から帰宅して、雪景色を眺めているのですが、
ウサギを見かけた印象は、曇天のような複雑な心境です。
その夜、サイちゃんの家に、独身のマコおばちゃんがっやってきて、
泊りがてら、サイちゃんと散歩に出かけるのです。
そこで教えてもらったのが、「スノー・エンジェル」という遊び。
雪に寝ころび、手足を上下左右に動かすと、天使の雪形ができるのですね。
ニューヨークの子どもたちは、こうやって遊び、
大人は「天使が子どもを見守ってくれる」と教えてくれるのですって。
それは、サイちゃんへの、おばさんの励ましでもあったのでしょうね。
長谷川集平さんらしい奥深いメッセージを感じました。
気になって調べてみると、長谷川さんが「Angels Watching Over Me」という歌と出会い、
いつも天使が見守ってくださる、というメッセージを子どもたちに伝えたくて作られた作品とのこと。
同時に、森永ヒ素ミルク事件を扱った『はせがわくんきらいや』での、
エンゼルマーク(森永)への複雑な思いも。
そういった意味で、とても奥深い含蓄のある作品だと思います。
悩み多き思春期の子どもたちにそっと紹介してあげたいです。 (レイラさん 40代・ママ 男の子22歳、男の子19歳)
|