ぐうたら猫のねこきちは、今日も朝からだらだらひなたぼっこ。 「ねこが かおをあらうと あめが ふる」 なんて言い伝えがありますが、ねこきちときたら、かおをあらうのさえめんどう。 そんなわけで、もうずいぶん長い間このあたりでは雨がふっておりません。
そこで聞こえてきたのは・・・ 「もしも あめが かねで買えるなら、おら、いくら だしても いいぐらいだ」 という、たぬきたちの会話。 ねこきちは、ひげをぴくぴく。ささっと書いた看板を軒先にかけたのです。
「あめふりうり」。
いくらぐうたらなねこきちでも、かおをあらうだけで金もうけができるなら、何度でもごしごしあらうってもんです。 ごしごし ごしごし―― ざざざざざざざざ―― 「あめふり」を売る商売、最初は順調だったのですが、やがて村は大騒動となり・・・?
野村たかあきさんの絵と原案をもとに、「ことわざ」や「慣用句」、また「落語」を意識した物語で平田昌広さんが仕上げたこの絵本。木版による力強い絵は、美しくもあり、可笑しくもあり。 「ねこがかおをあらう」だけで、こんなにも雨がざーざー降ったとしたら!! いくらでも儲けてしまいそうな気もするのですが、そこは根っからのぐうたらねこきち。やっと芽生えたちーいさなやる気だって、絶妙なオチを残してどこへやら。 でも、ねこきちの降らせる雨は、結構みんなを楽しませてくれたようですよ。
さてさて、次は何が起こるのでしょうね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
雨が楽しくなる、ことわざ落語絵本
「ねこが かおを あらうと あめが ふる」 そんな言い伝えがありますが、この村にいる猫のねこきちは、かおを洗うのだって面倒だという、ぐうたら猫。おかげで、この辺りにはずいぶんと長い間雨が降っていません。 そんなある日、ねこきちは「雨が降るなら、お金をいくらだしてもいい」という話をききつけ、「あめふり」を売る、なんていう商売を始めたのです。はじめは順調かにみえましたが、やっぱり、ねこきちはぐうたら猫。ある依頼をきっかけに店をたたんでしまいます。 その後、村は大騒動。ねこきちが次に掲げた看板には……。
ことわざや言い伝えも楽しめて、読めば思わず笑ってしまう、ぐうたら猫の愉快な物語。
雨がふらなくて、みんなが困っていました。それを聞いたぐうたらネコのねこきちが「あめふり」を売りだしました、、、。
「あめふり」を売る、なんてびっくりですが、本当に雨がふってきました。
「ねこの手もかりたい」のことわざも、ねこきちがはじまりだったのかな、なんて笑ってしまいました。
版画で描かれた、ぐうたらネコのねこきちの表情が、おもしろかったです。版画ならではの、いきいきした絵がよかったです。 (どくだみ茶さん 40代・ママ 女の子13歳)
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