おでんの屋台「雪窓」を舞台に、おかしくてせつない不思議な物語が幕を開けます……。安房直子の傑作童話が絵本になりました。
私にとって 安房直子さんといえば…
小さい頃出会った「きつねの窓」(教科書でしょうか。)
それから 大人になってから読んだ文庫版での作品。
華奢な印象の挿絵が 共通するイメージとして私の中にありました。
ところが…なのです。
この絵本は 山本孝さんの絵で創られています。
登場人物達の豊かな表情や はっきりしたタッチや色合いに
意外な感じを受けました。
でも…これが何だか とってもいい感じなのです。
安房直子さんの作品が 新しく生まれ変わったようにさえ感じます。
大げさじゃないですよ☆
おでん屋台「雪窓」の親父さんが
娘を背負って夜中の山道を歩いたことを回想している場面と
やはり親父さんが 狸と一緒に夜の山道を
屋台を引きながら 歩いている場面の
<星空>や <暗がり>がとっても素敵です。
登場する親父さんや 屋台を手伝う狸
雪の山道に現れる イタズラ天狗や子鬼たちの表情も豊かです。
安房直子さんの世界に広がりを見せてくれた
山本孝さんに 大拍手です。
女の子が好きそうな印象の強かった安房さんの作品ですが
この絵本は 男の子の心もしっかりつかんでくれそうですよ☆ (西の魔女さん 30代・ママ 女の子13歳、男の子9歳)
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