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一日のうち半日しか陽があたらない半日村。その貧しい村に陽をあてようとして,村のうしろにある高い山をけずる少年の一平……。
表紙を見た時には、こんなに壮大な、希望のあるストーリーが展開するとは思いもよりませんでした。
一日の半分しか、太陽の当たらない半日村。稲の出来は悪く、人々の暮らしは貧しく、でもそれを仕方ないこと、生まれた場所が悪かったと諦めてしまう大人たち。ところが、一人の少年は違いました。その日から毎日毎日、山の石を削って、湖に埋めるという行動に出たのです。周りの人に無理だといわれても、ひたむきに続ける姿に徐々に周りの人間が影響され、知恵を与え、協力していく過程は、私にはとても感動的なものに思えました。
そして、長い長い年月をへて、半日村は「一日村」へと変わるのです。
小さな力でも、それを結集し、継続し続けることで大きな成果を得られること、決して教訓的でなく教えてくれる絵本でした。小学生に、ぜひ出会わせてあげたい一冊です。 (すずらんぷさん 40代・ママ 女の子16歳、女の子14歳)
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