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コーネリアスは、立って歩くワニです。たまごの中から、立って歩いて出てきたのです!
草むらのずっと向こうまでの景色、上から眺める魚の姿。彼には他のワニたちには見えないものが見えます。だけど、嬉しそうに伝えるコーネリアスに対して、他のワニたちは言います。
「へえ、それで?」
怒って出て行くことにしたコーネリアスが出会ったのは、歩くだけでなく、逆立ちやしっぽでぶら下がることまで出来るサル。驚いたコーネリアスは、サルにその方法を教えてほしいと頼むのです。そして……。
颯爽と立って歩くコーネリアス。その堂々とした姿は、人間の私たちが見てもまぶしいくらい。生まれながらに出来てしまうのですから、大したものです。そんな彼が、自分たちに見えないものが見えると言う。私でも素直に関心を持てなかったかもしれません。
だけど、コーネリアスが本当に特別なのは、その後。最初から出来ることがあったからこそ、さらにその才能を伸ばし、習得し、それをみんなに生き生きと見せてくれます。この時、みんなの心の中に、何かが生まれるのです。
どんな生き方が素晴らしくて、どんな方法が最適か。私たちの中には、正解なんてありません。でも「何かが変わる予感」というのは、いつだって心を躍らせてくれるものですよね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
ワニのコーネリアスは立って歩きます。猿に教わり、逆立ちや尻尾でぶらさがることもできるようになりました。仲間のワニたちはそれを無視していましたが・・・
2足歩行が出来るわに、コーネリアスのおはなしです。
遠くまで見えることが嬉しくて、
みんなに伝えずにいられない彼の気持ちも分かるけれど、
コーネリアスの話を聞かない、憮然とした表情のわにの仲間の気持ちも分かる気がします。
生まれつき立って歩けたコーネリアスと違って、
這って歩くことしかできない自分じゃ、努力したって無駄、
自分で遠くの景色を見ることはできないと思えば、
やっぱり面白くないだろうなぁ。
川岸を出て行ったコーネリアスが、
さると出会えて、本当に良かったなぁと思います。
さるの芸当を見て、素直に教えを乞うコーネリアスも、
嬉しそうに助けるさるも、いいじゃない!新しいことが、自分だけ出来たら自慢かもしれないけれど
一緒に誰かとその楽しさを共有できたら、
もっともっとしあわせ。
コーネリアスはさるとその体験をしたからこそ
また川岸に戻ったのではないかな?と思います。
仲間に、新しいことの楽しさを今度こそ伝えたい、と。
それでもやっぱり相手にされず、さるのところへ帰ろうとしたコーネリアス。
よくぞ振り向いてくれました!
ユーモラスで、ちょっと嬉しい結末に、その後のお話が気になります。
さるが来て、先生になってくれるかな・・・なんて。
きっと、読む人によって色々な読み方ができるお話だと思います。
かわいらしい動物達に誘われて、読むとあれこれ考えさせられる、レオ・レオニらしい絵本、おすすめです! (ランタナさん 40代・ママ 男の子8歳、男の子5歳)
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