|
節分の夜、男が一人で酒を飲んでいると、外で「さむいよー」と声がする。だれかと思ったら、鬼たちだった。それなら入れと男は誘い、やがて宴会がはじまった。そこへ……
「鬼」を辞書で調べると、
「怪力・残忍で恐ろしい生きもの。たたりをするばけもの。
むごくて思いやりのない人」とある。
よっぽど、鬼って怖いいきものとしてたとえられているんだね。
でも、絵本の中の鬼は、ちょっと違うような気がする。
心優しい鬼がいたり、寂しがり屋の鬼がいたり、気のいい鬼もいたりする。
不思議な世界。
でも、いろんな鬼がいていいと思う。
この絵本に出てくる鬼も、ちょっと変わってる。
遠慮しいで、酒が入ると陽気になり、帰りは礼儀正しく頭をさげて帰っていく。
ほんとに、貧乏なのは鬼のせい?と思ってしまう。
でも、おかみさんはそう思っている。
福の神が、鬼を見て逃げ出そうとした時、
おかみさんは、必死に福の神にしがみつき、
「にげんといてー、いかんといてー、みすてんといてー」と叫ぶ。
涙が出てきた。
その後、鬼たちにまじって、福の神もおかみさんもこどもたちも踊りだし、
どんちゃん騒ぎをしているシーンは、とっても楽しそうだった。
結局、福の神はその家の神棚に座られた。
福の神は、にぎやかな家が好きなんだって。
貧乏でもいい。
家庭が明るければ、福の神も寄ってくるんだろうな。 (多夢さん 50代・ママ 女の子13歳)
|