「じゅげむ」の大ブームが記憶に新しい落語絵本シリーズの新刊です。 何と弟9弾。そんなに出てるの!?て、やっぱり落語のお話は笑えて、皮肉がきいていて、落ちが必ずあり、で面白いのですよ。 で、この「そばせい」も例外ではありません。今回は特にピリ辛な皮肉が利いているようです。突然に、そして予想外にやって来るおちをお楽しみに・・・。 お話は、いつも蕎麦屋へやって来て10枚はぺろりと食べて帰る男が主人公。見ていた他の客が15枚を食べられるかどうか、かけを持ちかけます。 すると簡単にたいらげ、かけた一分を持って行かれます。聞くと、どうやら彼はそばを40枚は食べられると有名な清さん、あだ名もずばり「そば清」と言うらしい。かけを持ちかけた男はとぼけた「そば清」に腹を立て、改めて50枚を5両でかけようと持ちかけます。困ったそば清、45はいけても50はちょっと自信がない。それでも5両は魅力、先延ばしにして何とか50枚を食べる方法を探して信州を旅します。いい案も聞けないまま、そば清は森に迷ってしまいます。そこでうわばみが猟師を飲み込むところを目撃。その後のうわばみの行動を見て、ある事を思いつきます。そして60枚で10両かけると豪語しますが・・・。 何事もほどほどに、というおはなし。私は最後のページの絵を先に見ていて、あまりのインパクトに内容が気になって仕方ない。そこで読んでみてその強烈なお話に更に驚かされました。さぁ、そんなお話を絵本で楽しんで下さい。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
むらさきの羽織がトレードマークの清(せい)さん、もりそば40枚を食べる強者で、ひと呼んで「そば清」さん。 はずみで賭けにのり、50枚に挑戦することに。 そばの本場、信州で手にいれた秘薬をしのばせ、いざ、食らわん!?
★ひとこと秘話 最後は衝撃のラストシーン!3ページに6場面の縦のコマわりで、そばのせいろが積みあがり、そば清さんがすごい形相で食べ、おなかの羽織のひももほどけていく…。 川端さんの絵本ならではの見せどころ、たっぷりです。
川端さんの落語シリーズ、それも新刊とあっては期待も膨らみます。途中まではよかったんです。お話自体は、面白いです。日本語の勢いもありますし、読んでいて楽しかったのですが・・・ラスト1ページのイラストが、私は気持ち悪くて、星は4つにしておきます。
この「そばせい」の元の話は、そばではなくて、お餅だったとか。それをそばにしたので、言葉遊びが生きてきました。最後のイラストは、お餅だったらまだよかったのかもしれません。きっと、落語として言葉で聞いている分にはさほど気持ち悪くはなくても、絵として見てしまうとだめなのでしょうね。
もっとも、4歳の末娘は、最後のシーンが何を意味するのかわからなかったようで、説明させられました。
(えっこさん 40代・ママ 男の子11歳、女の子8歳、女の子4歳)
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