|
ドイツ占領下のオランダ。国境近くの町に住む10歳の少年ピートは、冬のある日、凍った運河をスケートで滑って、知り合いの姉弟を隣国ベルギーへ逃がす手助けをします。
オランダも第二次世界大戦では被害国としての歴史があるのですね。
ドイツ軍に占領されたオランダでの、レジスタンス。
イギリスと秘密で通信していたヨハンナの父親がドイツ兵に連れ去られ、危険を感じたヨハンナと弟をベルギーまで送り届ける。
10歳のピートがおじいさんから託された役割でした。
凍った運河をスケートで滑り続ける子どもだけの旅。
途中でドイツ兵の検問を受け、あるところでは橋の下に隠れ、他には隠れる場所もない大冒険。
実話を基にしたお話なのでしょうね。
それだから、このスリル感は命がけだし、スピード感は必死さを込めています。
運河を200キロも滑るスケートレースにあこがれを持ち、親がスケート造りを仕事にしていたからでしょうか。
ピートでなくてはできなかった偉業だと思います。
戦争の影と死と隣り合わせの生活。
後書きを読んで、ヨハンナの父親は帰らなかったことを知って、改めて、ピートがなしえたことがどれだけのことだったか、ドイツ兵に止められたときに自分を見失わなかったピートの強さがいかなるものだったか、考えさせられました。
あまり身近に感じられない話だけに、子どもたちとじっくりと受け止めたいお話でした。
(ヒラP21さん 50代・パパ 男の子15歳)
|