人気小説家が描く、怪談えほんシリーズ! 『百鬼夜行シリーズ』などで知られる作家、京極夏彦が描くのは、古い日本家屋にひそむ恐怖……
かやぶき屋根の、木でてきた、とても古い家。 おばあちゃんとふたり、そこで暮らすことになった男の子。 おばあちゃんの家は、とても天井が高い。 大人が台にのっても、はしごにのぼっても、届かないくらい高い。 ずーっと上のほうに、暗がりがたまっていて、その手前に、太い木の梁が渡っている。
「うえのほうは くらいねえ」 「でも ほら したのほうは あかるいよ」
下の方が明るいなら、まあ、いいか。 でも、やっぱり、気になる。 頭の上でかたまりになっている暗がりを、何度も見あげる。 そしてその日、男の子は、梁の上の暗がりから自分を見下ろす、それを見つけた――
顔のはっきり描かれないおばあちゃん。 家の中をうろつく、おびただしい数の猫。 わずかに開いたふすま。 光のとどかない廊下の向こう。 なんの変哲もない風景を切り取ったはずのページさえ、なんだかひどく不気味に見えます。 「なにかひそんでいるんじゃないか?」なんて、うすぼんやりと広がる黒に、目を凝らしながら読み進めていくと……
背筋が、ひやり。
『暗い』って、こわいなあ…… そんな、原初的な恐怖を、いやおうなく思い出させる一冊です。
「みなければ こわくないよ。みなければ いないのと おんなじだ」
おばあちゃんはそう言うけれど、それじゃあもしも、見てしまったら? わかっているのに目を凝らし、わかっているのに探してしまう。 この絵本の暗がりからは、ああ、どうしても目が逸らせない……
(堀井拓馬 小説家)
おばあさんの住む、とても古い家で、ぼくはしばらく暮らすことになった。その家の上の方はとても暗い。暗がりに、だれかがいるような気がしてならない。気になって気になってしかたない。京極夏彦と町田尚子が腹の底から「こわい」をひきずりだす。
小学校での読み聞かせ会に持参しました。
対象は高学年。5年生が4.5人、
6年生が20人強来てくれました。
暑くなってきたので、夏休み前最後の
高学年対象の読み聞かせ会のテーマは、
「これってホラー?!な絵本」でいこう!と
いろいろ読みあさって、ついに見つけました!
これはヒット!
評価が分かれていますが、
私は文句なしの最高評価。
だって、ホントに怖い!ゾッとします。
最低限の短い文章で、少ないページ数で、
これだけ怖がらせてくれるなんて…
すごいの一言です。
どなたかがおっしゃっておられますが、
ほんと、怖すぎて…逆に笑けます。
面白いだけの絵本もあるんだから、
怖いだけの絵本もあっていいと、私は思います。
読書・読み聞かせは、教育ではなく
エンターテイメントだと思うから。
ということで、本日のイチオシの一冊に採用。
最初に来た5年生が「これから読んで」と
リクエストしてくれたので
一番最初に読んで、間に一冊はさんで
この絵本を見ていない後から来た6年生たちのために
もう一度読みました。
「これは怖いで〜!おしっこもらしなや〜」
なんて言いつつ(笑)
反応は上々でした。
「ゾッとしたやろ〜?」って聞いたら
うなずく子が多数、
「そんなことない、怖くない!
もう一回最後のページ見せて!」なんて
強気な子もいて、最後のページ、
もう一度めくって見せてあげました。
うちの子供たちも
「これは怖い」と喜んでいました。
長女がじっくり眺めて
「おばあちゃんの顔が一度も見えない。
だから余計に不気味に感じるやわ」と言ってました。
恥ずかしながら、私は気がつかなかったわ〜。
所要時間約2分半。
確かに低学年にはお勧めしませんが
高学年〜大人に、怖がりサンには大勢で読むのがお勧め(笑)
怖いのが平気な人は、夜に一人でじっくりどうぞ(笑) (将軍亭琴音さん 30代・ママ 女の子12歳、女の子10歳、女の子7歳)
|