森の中の小さな家で生まれたしろうさぎの子。 小さな家でしたけれど、しろうさぎの必要なものは何でもそろっています。 大好きなおとうさん、おかあさん。手作りのベッドやくろうさぎのぬいぐるみ。 玄関だってちゃんとあるし、庭には家族にちょうどいい大きさのリンゴの木もあります。
まだ小さなしろうさぎには知らないことがたくさんあります。 ジャムやコンポート、りんごの実のことだって知りません。 おとうさんやおかあさんにほめられればすごく嬉しいし、明日がくるのが楽しみで眠れなくなったりもします。 しろうさぎはとても幸せなのです。
ある日、しろうさぎはりんごをかじってみたくて、一人で庭の木の下までお出かけをします。 そこでしろうさぎがかじったのは・・・!?
石井睦美さんの優しいリズムの文章と、酒井駒子さんの力強く、でも本当に可愛らしい絵がしっくりと組み合わさって完成したこの一冊。小さなうさぎの、小さな幸せが描かれています。 どのページを読んでいても、どこかくすぐったくなるような、甘くて懐かしい気持ちが心の中に生まれてきます。 しろうさぎが大事に守られながら、少しずつ外の世界に出会っていく様子がとても嬉しくなるのです。
りんごの実がなる秋を、何の心配もせずゆっくりと待つうさぎの親子。 私たちもこの絵本を、いそがずにゆったりじっくりと、味わいながら読むことにしましょう。 しろうさぎがお布団の中に入っている姿、口のまわりをジャムだらけにしている姿、おかあさんにだっこされている姿。 見ているだけでもたまらない場面が続くことは言うまでもありませんね。
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
しろうさぎは もりのなかの ちいさないえで うまれました ちいさないえでしたけれど、しろうさぎに ひつようなものは なんでもそろっていました だいすきな おとうさんと おかあさん そして……
小さなうさぎの、小さな幸せを描いた絵本。
「でも、なんにも しんぱいはいりません。
このいえには、しろうさぎにひつようなものは
ぜんぶそろっているからです。
だいすきなおかあさんもおとうさんも、あかいクレヨンも。」
しろうさぎが、いつか大きくなって外の世界に出ていっても、
この家で愛されて育った、その記憶が
彼女を支え続けるんだろうな...
よく、「自己肯定感」という言葉がいわれますが、
わが家もそんなあたたかい場所を、めざさなくっちゃ!
子どもに聞かせるより、ママにまず楽しんでもらいたい一冊です。
しろうさぎの、いかにもこどもらしい勘違いが
かわいいったら、ありません。
あるよね〜。あるある。 (ミドリムシ917さん 40代・ママ 女の子17歳、女の子13歳、男の子6歳)
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