「どろんこハリー」でお馴染みのジオン&グレアム夫妻の新作です。今回のおはなしはちょっと手強いですよ。 まずしいケーキ職人トムは王様の料理人の一番下の助手。ケーキは焼かせてもらえません。でも唯一の友だち白いねずみのティナだけは彼の腕の良さを知っています。毎日仕事が終わった後、彼の為に小さなケーキを焼いてあげているからです。ある日、料理長の引退を機にケーキコンテストが開かれることに。はりきるトム。 さて、トムがつくったケーキとは?そして結果は?
(磯崎園子 絵本ナビ編集長)
見習いコックのトムは、ケーキをとても上手に焼けるのですが、今まで、皿やスプーンしか洗わせてもらえませんでした。 トムの唯一の友だちは、白ねずみのティナでした。 トムは、ティナにいろんな芸を教えました。 そんなある日、お城で、新しい料理長を決めるケーキコンテストが開催されることになりました。 そこでトムは、夜通しかけて、さとうねずみのケーキを作りました。 果たして、その結果は・・・?
『どろんこハリー』(福音館書店)の作家、画家、訳者がお送りする、初邦訳作品!
「どろんこハリー」の作者夫妻のほかの作品を探していて出会いました。
なかなか読み応えのある作品です。
実力があるのになかなか日の目を見ない心優しい料理人トムと、小麦粉貯蔵室にすむねずみティナのフレンドリーな交流が可愛らしい。
やっと自分の腕を披露できるチャンスに、トムは悪い環境を克服し会心の作品を作ります。
ところが、意地悪な先輩たちがからかい、足まで引っ掛け、トムのケーキの飾りの白砂糖でできたねずみの女王がばらばらに、・・・。
ここからトムに普段芸を色々教えられていたティナが大活躍。
でも、本物のねずみだと誰かに気づかれたらどうしよう、とドキドキしながら読みました。
なかなかトムのケーキがお城の国王夫妻の口に入らずイライラします。
ティナのことが見つかるのが先か、トムの実力が認められるのが先か、お話にしっかり引き込まれました。
ラストのハッピーさに、「良かった!良かった!」と独り言が出てしまいました。
とにかく多芸なティナの可愛らしさに参っちゃいました。 (アダム&デヴさん 50代・ママ 男の子12歳)
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