穂村さんの編集した短歌絵本シリーズ。子どものリクエストにこたえて最後の1冊を探してきました。副題にもありますが、この本は動物にちなんだものが編集されています。
表題の作品は渡辺松男さんという方です。
「水を出て おおきな黒き水掻きの
ぺったん ぺったん白鳥がくる」
うん。ただ読んだときは、たいして良くも思わなかったけど、口にしながら書き出してみたら、なんかしっくりするというか、心に感じるものがありました。
今回の絵本は青山明弘さんがイラストを担当しています。
この青山さんの、すっとぼけたような白鳥がなかなか良かったです。
他には、与謝野晶子の作品や、北原白秋の作品もありましたが、他の短歌絵本と同じく、今活躍している現代の歌人の歌も多かったです。
個人的にはやっぱり、斎藤茂吉の
「税務署へ 届けに行かむ 道すがら
馬に逢ひたり あぁ 馬のかほ」
この訳のわからんナンセンス感が、すごく心地よかったです。
子どもが読むなら、やはり短歌というものをきちんと習う、中学生以上がいいかと思います。