「早く早くって言わないで」」この言葉にハッとするお母さんは多いのではないでしょうか。毎日の目の回るような忙しさの中、いつもいつも子どものペースに合わせてはいられない。「一刻も早く仕事に出たい」と思うとき、「この場をさっさと片付けたい。まだ次の仕事が待っているのに・・・・・・心のどこかがイライラしていると、「早くしなさい!「もうあの子もこの子もできてるよ!」と子供に言葉を投げてしまう。そんな時子どもたちはどう思っているんだろう。
この絵本では大きな海を一人行く小さな船のつぶやきが子供の心と重なる。
「はやくはやくっていわないで」「ひとつひとつじゅんばんちがう」「どうして急ぐ?」
「ひとつひとつおおきさちがう」「ひとつひとつ重さが違う」
「くらべられるとどきどきする」
どきどきするとどうなるの?「どきどきすると、ひんやりする」・・・・心が冷たくなるんだね 「どきどきすると小さくなる。まっくらで悲しい気持ち」「できることやできないこといろいろある。」「どうしてできないの?」って聞かないで、言わないで。 ひっぱらないで押さないで。はやくはやくっていわないで」
ちいさなふねはひとりで海をゆく。言えない気持ちをいっぱい抱いて。
その時言ってほしかった一言が聞こえてくる「ゆっくり行くよ。ゆっくりおいで・・・]
「待っててくれる?」 まってるよ。みんないっしょ。
普段言えないこんな気持ち子どもたちの心の中には「一人の人」としての気持ちがちゃんとある。そんな思いに気づいてあげたら、こどもたちにかける言葉がかわるかもしれません。
「いいよ、ゆっくりね。待ってるから。
あなたのスピードで、ゆっくりおいでね」