「レミーさんのひきだし」 ママの声

花模様が描かれた、可愛い水色の引き出しを覗いているおばあさんの表紙を見て、中には一体何が入っているのだろうと興味を惹かれました。読んでみると、引き出しの中には、空き瓶や空き箱、リボンなどが沢山。そのどれもがとても可愛い上に、それらの活用方法も素敵です。
幼い頃に集めていた包装紙やリボンといった宝物を懐かしく思い出しました。少女の気持ちを持ったまま、チャーミングなおばあさんになったレミーさん。素敵なプレゼントをくれた優しいパートナーと、幸せな日々を送ることでしょう。

映画を見ているかのような、素敵なお話でした。
レミーおばあさんの引き出しには、空き箱や空き瓶、プレゼントの包み紙やリボンなどがしまわれています。そして、ジャムの瓶にしたり、お菓子を包んだり。
確かに、綺麗なお菓子の箱とかって捨てられないので、レミーさんの気持ち、何だか分かる気がします。
そんなレミーさんの引出しにしまわれていた小箱が、とてもロマンチックなものになり、感動しました。
大人向けのしっとりとした物語でした。

コロナ禍になる前の勉強会で、
見開きの部分は、「作者や編集者が読者にその本のどこを見せたいのか、という想いが出る部分である」というようなことを聞いていたのをこの本の見開きを開いて、急に思い出しました。
この本の見開きは木の木目になっているんですよ。

レミーさん（おばあさん）の住んでいる所が、どうやらフランスの片田舎の町のようなので、翻訳絵本か？と思いきや、作も絵も日本の方で思いっきり国産絵本でした。

１ページ１ページがほんとに丁寧に綺麗に描かれていて、ゆっくりじっくり読ませていただきました。
読み聞かせよりも、ひとり読みをお薦めします。大人の方へのプレゼントにもよいかと思います。
優しく素敵なハッピーエンドも心温まりました。
レミーさんとレオさんの第二の人生が幸せでありますように。