柚木沙弥郎さんの絵は嫌いではありませんが、この作品で彼の絵は、ちょっとシュールかな〜と、いう気がしました。
ただ、柚木さんが作品を取り上げて描かなければ、この絵本はできていないことを想うと、こういう表現もありかな?とも思います。
原作は劇団「火の木の会」の舞台台本で、解説を見るとその後朝日放送で「恋愛風土記」として放送されたそうです。
内容は「夕鶴」とほぼ同じです。
このお話で恩を感じて女房になるのは「雉」で、ラストシーンはこちらの方が断然夫婦愛を感じましたね〜。
大切な夫の危機を感じた「おきじ」が物と姿になり、荒れ寺の古い釣り鐘に自らの体を打ち付けて死んでゆくシーンは感動的でした。
物語は素晴らしいお話ですが、何分夫婦愛であることと、柚木さんの絵を楽しんで見ることのできる年齢となると、少々大きくなってからの方がよさそうです。
中学生・高校生くらいのお子さんたちにいかがでしょうか?