1972年初版のイギリスの絵本。
30年以上にわたって読み続けられていると但し書にありましたが、その理由が充分に窺える内容の濃い作品でした。
主人公は、ねずみのアーサー。
ねこのサムソンと教会に住んでいますが、サムスンは、牧師さんの「みんな なかよく」という話を聞いているから、ねずみをいじめないのです。
ただ、サムスンは、いつも寝てばかりなので、アーサーはちょっと心細く退屈。
そこで牧師さんに相談のうえ、町に出て、たくさんのねずみ仲間を連れてきます。
みんな教会での暮らしが気に入って、楽しくやっていたのだけれど、ある事件によって追い出されることになり、大きく展開していきます。
泥棒との対決シーンは、手に汗握るもので、大いに楽しめる作品だと思います。
物語自体は、何処かで読んだことのあるような展開なのですが、何と言っても絵の水準が秀逸。
色の発色が、ちょっと日本ではお目にかからない感があり、それも斬新に写ることだと思います。
文章はかなり多いので、読み聞かせは厳しい作品です。
やはり、小学生低学年位の子供が、自ら読む類の作品と言えそうです。
シリーズの邦訳が待ち遠しいところです。