こんなぷちぷちした冒険なんて、はじめて。
声に出して読んで、音の面白さを味わってもよし。
表紙から、裏表紙まで、全部なめまわすようにじっくり見て、絵を楽しむのもよし。小さい子(保育所くらい)から楽しめると思います。
ページをめくる時、次は何がでてくるか?ワクワクします。
枝豆兄弟が、大豆になるのが嫌だ!という理由で(どうしてかは不明。いいじゃん、大豆。)
島を飛び出して、新天地を探すという単純なお話なのに、どうしてこんな風にいろんな事が起きて、奇想天外なキャラクターが出てくるのか。作者と画家の空想力のすばらしさ、ユニークさに感動しました。
それぞれ、食べ物や台所用品のキャラクターが実に個性的。
私は、目玉焼きがあんなに了見が狭いなんて思わなかったですね…
カップケーキはふっくらふくらんでいるだけあって、身も心も大きく、リッチになったらしい。金持ち、ケンカしない。ふくれるもの、案外いいものかもしれない。
ぐつぐつ島のおでんたちを見ていると、あのみっしり満員な感じが、お相撲さんたちを連想させます。おでんを見るたびに、この島の事を思い出すでしょう。
他にもページ数の関係で、詳しく描かれていない(と思われる)楽しい島がいっぱい。それぞれの島について、好きに想像できる余地もあって、物語がどんどん膨らんでいきます。
読み終わっても、また読みたくなります。
あ、あの島の、あのキャラクターはどうなっているの?と気になって、またページをめくったり。
最期の見返しに、キャラクターが全員出ているので、それを見ながら、もう一度全員を確認しに戻ったり。一冊で相当楽しめる絵本でした。