「ようかい りょうりばんづけ」 その他の方の声

澤野さんの作品はストーリーはもちろん、いろいろなさがし絵をするのが楽しみです。
今回は、人間に変装した妖怪たちと元の姿を、見比べながら読みました。
ミシュランガイドになんとなく似ている妖怪料理番付の本や、大人気の若い職人さんと、行列している人間のお客さんたちの様子なども、興味深く面白く見ました。

妖怪好きにはもちろんたまらない１冊です！番付けが大好きなのは妖怪も人間の一緒なのに、味覚の好みがまったく異なるのもなんて面白い！ストーリーも気になりますし、妖怪たちそれぞれも気になり・・・もう隅々までじっくり眺めなきゃ気が済まなくなります。画面いっぱいに描かれた絵は本当に美しくも圧巻です。

妖怪と人間と、豆腐をめぐって、繰り広げられる人間妖怪模様。舌によって感じる味がちがうのかな？妖怪たちとまめやさんのだんなさんとの仲が深くなるにつれて、豆腐の味も深みをましてくる。妖怪たちの絵が懐かしい田舎を思い出しました。

澤野さんの『そらならいいいえありますよ』や『じつはよるのほんだなは』などが好きで、新刊ということで手に取りました。
細かいところまで描きこまれている絵！
くすくすっと笑える要素や、「ここはどうなっているんだろう……」と凝視してしまうところなど、ページごとにじっくり楽しめて読みごたえもあります。

特に今回の主人公は妖怪！
どの妖怪も、ちょっと不気味なところはありつつ、どこかユーモラスでかわいくて、「私は子の妖怪が好き！」「ぼくはこの妖怪がかっこいい！」なんて子どもたちが指さして楽しめそうです。

もちろん、おはなしもユニーク！
特に、妖怪の味覚が人間と違うという発想が面白く、なるほど〜〜と思ってしまいました。
きしきししていて、ぼそぼそしている豆腐なんて、普通なら絶対に食べたくないけれど、本当においしそうに食べる妖怪の姿を見ていると、なんだかとっても美味しい食べ物に見えてくるんだから、不思議です……。

ストーリーを楽しめて、妖怪が大好きなお子さんにピッタリの絵本だと思いました。