動物写真家の前川貴行さんが、ツキノワグマを言い続けた写真絵本です。
怖い存在ではあるけれど、お互いのテリトリーを守っていれば、共存できる動物であったに違いありません。
ここのところ街中に出没して、すっかり悪者のイメージが定着してきたことを、前川さんは憂えます。
その原因は自然の減少や餌の不作によるだけではなく、従来の出没ラインだった場所が、過疎化によって不明瞭になったことにもあるという意見に説得力を感じました。
前川さんが追い続け被写体であったクマが、罠にかかり射殺されたということに、ふしぎな気持ちになりました。
彼らと共存することで維持されている自然もあるのですね。
クマ以外にも自然界にいる動物の姿も収められ、前川さんの文章は饒舌です。
タイトルにあるようにともに生きることを考えさせられました。