三人の、目の色の違う子どもたちが一緒に遊ぶお話。
1972年刊行。作者が川崎の子どもたちと一緒に作った絵本。
巻末に作った当時の様子が書かれていて、興味深い。
ちょっと外国の絵本のように見えてしまったが、日本の当時の子どもたちがよってたかって絵の学習をしながら、遊びながらお話を作り上げた、という。
いろんな意味で私は先駆的な作品だと思った。
目の色の違う三人の子どもが、一緒に仲良く遊ぶこと。遊んでいて問題が起きると、一緒になって考え、いいアイデアを出して、誰もが一緒に楽しく遊べる方法を考えて、実行していくこと。
あらゆる差別がなくなり、お互いの違いを尊重しあって、うまくやっていけるように知恵を出し合って、助け合っている。
技法も切り絵とイラストを合わせて表現してみたりして、それまでに多くの人が「絵本はこういうものだ」としていた思い込みから外れて、斬新な作品に映ったと思う。
今見てもなかなかお洒落で、素敵な作品だと思う。
こういう発想がでてきた子どもたちが大人になって、差別や偏見がない素晴らしい社会ができて欲しいと思う。
実際に、作られた当時よりも、2022年の今の方がたくさんの「青い目」「黒い目」「茶色の目」の人たちが交流しあって、同じ地域に暮らしている。この絵本みたいに、お互いの都合を考え、融通しあって、うまくやっていき、仲良く楽しい世界を作っていきたい。