中学生の朝読用の用意しました。
実は発売当初から気になっていたのですが、なかなか手に入れるのが遅くなってしまって…。
子ども自身、読み終えてすぐ「『山月記』のはなしだったよ〜。面白かった!」と、言っていましたが、作者の後書きを読むと、昔から何度も読み返してきた『山月記』を、自分なりに温めて世に出したのがこの本だそうです。
作者の目線で再構築された『山月記』を、李徴の子ども(主人公)の目線で描かれた世界は、とても興味深く、面白いものでした。
《父がなぜ、虎になったのか》、もしかしたらいつか自分も父のように変身してしまうのではないかと、不安にかられた李徴の息子が父の足跡を求めて旅に出るお話です。
見た目は分厚い感じがしますが、1ページ1ページのも字数は少なく(行間が広い)、文体のリズムもとても読みやすいので、中原中也に興味がなくても、《人間が虎に変身してしまう》という、不思議な現象に興味のあるお子さんにはぜひ、読んでほしい1冊です。
読んだ感じだと、小学校高学年から就学・高校生くらいのお子さんにお薦めできそうです。