インドネシアのバリ島で、伝統的な踊りを習う少女とその一家の日常生活。イスラム教の多いインドネシアでは珍しいバリ・ヒンドゥー教の文化圏で、伝統的なお祭りや儀式をしっかり継承している。
大人も子どもも舞踊や音楽の練習をするのが普通で、自然な形で昔のものが残っている。その一方で学校生活や日常の暮らしは現代的。
明るく、極彩色に溢れた清々しい雰囲気。熱帯特有の生命力にあふれた人々の暮らしが刺激的な一冊。
目が大きく、表現力が豊かで将来を期待されている少女。普段のしぐさも可愛らしいが、舞台に上がると妖艶さを漂わせる。観光客向けのショーで踊るプロの踊り子としての矜持も感じさせるが、屈託ない笑顔はまだまだあどけない。
いろんな部分で二面性を感じさせる写真絵本。日常と非日常を行き来する生活が興味深い。