私が子供のころに買ってもらったこの絵本、かなり古びていますが、私の子供たちも大好きです。今でも売られているのは、本当に喜ばしい! マンガチックではなく、日本画風の雅でりりしい一寸法師が素敵です。お姫様が具体的に「きよみずでら」にお参りに行く場面になると、京都を思い出します。清水寺、私も小さいころからよく行きましたが、今は遠い地方に嫁いできてしまいました。懐かしくて「これは京都にあるんだよ」と子供たちに教えると、子供は「京都」と聞くと「一寸法師が住んでるところ?」と尋ねます。一寸法師は単に鬼をやっつけたから姫と結婚したのではなく、長い年月をかけて愛をはぐくんだということが、この絵本ではよくわかり、ほほえましいです。最後のシーンも、恰幅よく成長した法師が描かれていて安心感がありますね。