「守り人」シリーズを読んでからずっと読みたいな〜と、思っていた1冊です。
後書きと解説を読んでわかりましたが、この物語の舞台は平安の頃の山の中の小さな村(国だったのかもしれません)のようです。
このお話でいう「神」はまさに自然界のことで、
自然と人の間にいたはずの“カミンマ(シャーマンみたいな存在で、時に神と交わる)”の存在が、人の神への信仰が時代と伴になくなっていき、自然は少しずつ人に破壊されていく……。
テーマ的には「これ」と言い切れない難しさもありますが、
上橋さんの魅力的な文章のおかげで、ぐいぐいと物語の中に引き込まれ、読み終えたときには『月の森』の世界にすっかりたっぷり浸かってきた気分になりました。
ファンタジックな作りになっているので、時代物の話やファンタジーものが好きな人、上橋さんの作品の好きな人はもちろん、ぜひ読んでもらいたい作品です。
見せ方は違うけど、宮崎アニメの「トトロ」とも通じるものがある気がしました。