題を見ていただくとわかるように、絵本の形態をとっていますが、この本は短歌集です。イラストは西村敏雄さんです。
少し前にこのお二人の作っている絵本をいくつか読んでいたら、リストにこの絵本が載っていて、気になって図書館で探してきました。
これは穂村さんが編集したもので、ご本人が書かれたわけではありません。歌人が読んだ作品に穂村さんが解説、というか語訳みたいなものを載せてくれているのです。
そこへ持ってきて、西村さんのイラストが、いいんです!!
この絵本では、ある家族をずっと描かれて、それぞれ別の短歌であるにもかかわらず、一貫性を持たせてくれています。
中でも、個人的にいいなぁと思った作品は
『さまざまの工夫をしたる鍵ありて 諸国の町に運ばれてゆく』(斎藤茂吉)でした。茂吉です!!嬉しいです。全部読んで、一番いいなと思ったのが、作家としてもいい作品をたくさん出していたあの、茂吉の作品だったなんて!
何度も書きますが、イラストは西村さんなので、見ているだけでも楽しいですが、やはり短歌を堪能するとなると、中学生以上大人向けの絵本なのかもしれません。