2009年のアメリカの作品。
主人公は、スプーンくん。
次のページには、スプーンくんのファミリー紹介があるのですが、もうここでスプーンにも沢山の種類があることを暗示しています。
毎日、楽しく過ごしていたスプーンくんですが、元気がありません。
ママが聞くと、スプーンくんが、ナイフくん、フォークちゃん、おはしさんと、僕と違ってみんな凄いとママに打ち明けるのです。
その頃、その友達も同じように、スプーンくんのことを羨ましがっているというのが大きなポイント。
ママも、「スプーンくんて、じぶんが どんなに しあわせかってことに、きづいてないんじゃないかしら?」と優しく諭してくれるのです。
隣の芝生は青いということを、地でいったような作品です。
スプーン、ナイフ、フォーク、お箸と、それぞれ、得意とする機能は異なります。
でも、自分にない機能ばかり考えてしまうと、自分は何も出来ないのだと思えて仕舞いがち。
そんなことを、スプーンという分かり易い物を通して教えてくれる作品です。
スプーンをメインに据えたことで、この物語は成功したも同然。
毎日、使う道具ですから、子どもの心にもすっと落ちるはずでしょう。
スプーン、ナイフ、フォーク、お箸に、線で描いた手足をつけたキャラクターも、とても親しみ易いもので、気にいる子どもも多いことだと思います。
正統派の絵本として、オススメです。